貯金が無い人も実は有るかも。休眠預金は早く引き出さないと、もったいない事に
配信日: 2018.03.15 更新日: 2024.10.10
2018年1月から「休眠預金等活用法」が施行され、長い間使われていない「休眠預金」は民間公益活動に活用されることになりました。
そこで今回は、休眠預金はどうなってしまうのか、休眠預金を持っている人はどうすればいいのかを紹介します。
Text:宮野真弓(みやのまゆみ)
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
子育てファミリーや妊活カップルのライフプランニングを中心に活動しています。
結婚や妊活、出産、住宅購入など人生のターニングポイントにおけるお悩みに対して、お金の専門家としての知識だけでなく、不妊治療、育児、転職、起業など、自身のさまざまな経験を活かし、アドバイスさせていただきます。
https://fpoffice-minoria.jimdo.com/
休眠預金ってなに?
そもそも休眠預金とはどんなものでしょうか?
休眠預金等活用法の対象となる休眠預金等とは、10年以上、入出金等の取引がない預金等のことをいいます。普通預金のほか、定期預金や貯金、定期積金なども対象になります。外貨預金や財形貯蓄、マル優の適用となっている預貯金などは対象外です。
休眠預金等とみなされると、預金保険機構に移管され、貧困対策や障がい者支援、地域活性化などに活用されます。
ただし、何の連絡もなしに突然移管されてしまうわけではありません。最後の取引から9年以上が経ち、休眠預金になりそうな預金等で1万円以上の残高があるものについては、金融機関から登録住所への郵送かメールで通知が届きます。
引っ越しなどで通知が届かない場合や残高が1万円未満の場合も大丈夫。最後の取引から9~10年6カ月の間、金融機関のWebサイトで公告が行われます。
休眠預金になっても引き出せる?
休眠預金として移管されてしまっても、金融機関で手続きをすればいつでも引き出すことができますし、休眠預金となっていた期間も利子が付きます。
手続きに必要なのは、通帳やキャッシュカード、本人確認書類など。引っ越しで住所が変わった場合や、結婚で姓が変わった場合などは別途、公的な書類が必要な場合もあります。
なお、金融機関によって必要書類や手続方法が異なりますので、事前に確認してみてください。
こんな場合はどうするの?
・合併前の通帳を持っている → 現在の名称の金融機関の支店で手続きをします。
・合併後の名称がわからない → 全国銀行協会に問い合わせを。
・そもそも口座があるかわからないので確認したい → 最寄りの支店で問い合わせて調べてもらいましょう。
・引っ越しなどにより、休眠預金口座のある金融機関の支店が近くにない → 現在取引をしている金融機関から代金取立という方法で引き出すことができます。
ただし、代金取立には所定の手数料がかかります。金融機関によって手数料や必要書類、手続方法が異なりますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
これを機に口座の整理を
いつでも引き出せるとはいえ、手間やコストを考えると休眠預金にしないのが一番です。もし認知症になってしまったら、本人や家族では手続きができなくなってしまう場合もあります。
また、相続が発生した場合に、口座の存在を家族が知らなければ相続することはできません。
相続手続が終わってから休眠預金を見つけた場合、再度相続手続をしなければなりませんし、場合によっては相続税の修正申告なども必要になります。
こうした事態を防ぐためにも、使わなくなった口座は解約する、住所や氏名が変わったら手続きをするなど、口座を整理しておきましょう。
Text:宮野真弓(みやのまゆみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
FPオフィスみのりあ代表