更新日: 2024.10.10 貯金
貯金100万円未満の人必見! 若いうちから貯金するための4ステップ
貯金が100万円未満の人は、老後の生活に不安が残るだけでなく、転職や起業など、思い切ったチャレンジもしづらくなります。
ここでは、若いうちから貯金するためのコツを、4ステップに分けて解説します。
執筆者:北川真大(きたがわ まさひろ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券外務員一種
お金は生活するうえでなくてはならないものですが、単なる道具にすぎません。
「資産を貯める・増やす」の先を一緒に考えていきましょう。
●個人投資家として実体験に基づくアドバイスを行う
●お金との適切な「距離感」を保つ
●独立支援にも強い
●独身、一人暮らしの家計管理が得意
貯金100万円未満の割合
貯金100万円未満の人は、どれくらいいるのでしょうか。公的な団体による貯金のみの調査結果はありませんが、毎年調査している金融資産をみてみましょう。
金融広報中央委員会の2021年の調査によると、単身世帯、二人以上世帯で金融資産100万円未満の割合は図表1の通りです。
【図表1】
金融資産100万円未満の割合 | |
---|---|
単身世帯 | 47.0% |
二人以上世帯 | 30.2% |
※「家計の金融行動に関する世論調査2021年」をもとに計算(小数点第二位を四捨五入)し筆者作成
単身世帯では半数近く、二人以上世帯は3割が金融資産100万円未満です。特に単身世帯では、意識して貯めている人と貯めていない人に二極化しています。貯める習慣を身につけないと、金融資産100万円すら簡単ではありません。
貯金するための4ステップ
貯金100万円未満の人は、正しい貯金の仕方を知りません。正しい貯金の習慣は、4ステップを順番にこなしていくと身につきます。
ステップ1 支出を把握する
まずは支出を把握しましょう。少なくとも1ヶ月間、毎日の支出を漏らさず記録し、1ヶ月の支出を明らかにします。
支出は個人差が激しいため、現状を把握することで、効果的な対策を講じることができます。
ステップ2 家計簿をつける
支出が把握できたら、費目ごとに分けましょう。費目は細かく分類した方が詳しく分析できますが、少なくとも家賃、光熱費、通信費、食費、保険の5つに分けて計算してください。
計算ができたら、家計簿を毎月つけるのがおすすめです。形式は、エクセルや紙のノートなど、何でも構いません。自分で確認しやすいものにしましょう。
ステップ3 固定費を節約する
節約と聞くと、食費や買い物などの変動費から削る人がいますが、長続きしません。変動費の節約は我慢と同じになってしまい、どこかで「今の楽しみを削って何が幸せなのだろう」と節約に嫌悪感が生まれます。
できる限り我慢しなくて済む、固定費から節約しましょう。比較的簡単に節約できるのは通信費と保険で、一度見直せば半永久的に節約できます。
二人以上世帯の平均的な通信費は、総務省による2022年2月の調査によると、3万5413円です。
2~3人程度の世帯なら、3大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)でスマホと光回線を契約すれば、毎月の負担が3万円以上になります。スマホを格安SIMに変更し、スマホからテザリングでパソコンと接続すれば、光回線も不要です。
テザリングとは、スマホの通信回線を利用して、パソコンとインターネット接続を行うことをいいます。通信費が格安SIMの契約だけになるので、3人世帯でも1万円程度で収まります。手続きもたった1回だけなので、1時間~2時間程度しかかかりません。
格安SIMは三大キャリアの回線を借りているので、インターネットの接続スピードは落ちます。ただ、ネットサーフィンやメールの確認など、一般的な用途では不便を感じないでしょう。
保険は、家族構成に応じて最低限の保障にし、毎月の保険料を減らしましょう。日本は社会保険が充実しているため、民間の保険はほとんど不要です。会社員や公務員であれば、社会保険に入っているだけで雇用保険、労災保険、病気で働けなくなった場合の疾病手当金といった保障が受けられます。
加入が必要なのは自動車保険と火災保険くらいで、あとは家族を養う人が入る生命保険くらいでしょう。医療保険や過剰な生命保険を解約するだけでも、十分な節約になります。
ステップ4 先取り貯金する
節約して余裕ができたら、毎月一定の金額を先取り貯金しましょう。銀行口座をもう一つ開設し、貯金する金額分だけ給料日と同時に振り込んでいきます。
口座を分けると貯金額が明確になり、貯金へのモチベーション維持にもつながります。
若いうちに貯金して将来に備えよう
「若いうちは貯金よりも経験にお金を使え」と言われることもありますが、もしものために貯金は必要です。若いうちに身についた貯金の習慣は、老後のためだけでなく、転職、独立といったチャレンジをするときの保険にもなります。
若いからと貯金を軽視せず、1日でも早く貯金を始めて、将来に備えましょう。
出典
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和3年調査結果
総務省統計局 家計調査(家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯)全品目(2020年改定)
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種