更新日: 2022.06.27 家計

増加する家計の貯蓄高を投資へ? 金融所得倍増実現に向けた課題

増加する家計の貯蓄高を投資へ? 金融所得倍増実現に向けた課題
「インベスト・イン・キシダ」――岸田首相はロンドンのシティで行われた講演で、そう呼びかけました。また、先日閣議決定された骨太の方針にも、新しい資本主義の目玉政策のひとつとして、貯蓄から投資が掲げられています。
 
投資の当事者となる消費者の貯蓄の現状は、どうなっているのでしょうか? 家計の金融所得を倍増させるには、多くの課題が残されています。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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増加している家計の貯蓄高

総務省が2021年に発表した家計調査報告によると、2021年の1世帯あたり貯蓄現在残高(平均値)は1880万円で、3年連続増加となるとともに、比較可能な2002年以降で最多となっています。
 
統計上は、家計の貯蓄は増加傾向にあり、しかも2002年以降では最も多額の貯蓄が家計に積み上がっているということになります。
 
日本の個人金融資産は2000兆円、その巨額の資金が間接金融という形で、企業が成長力を高めるための投資や株式市場へ流れ込むことが、期待されていました。しかし、その半分以上が預金や現金で保有されているといわれています。
 
こうした状況では、社会全体に資金の好循環感が起こらないばかりか、家計においても低金利を受け容れざるを得ず、金融所得倍増の実現のハードルは高いと感じざるを得ません。
 

偏る貯蓄の世帯分布

また、こうした統計をみるにつけ、実態感覚との違いを指摘する人もいます。自分の家庭の貯蓄残高と平均値を比較すると、平均値の高さに違和感を感じる人が少なくありません。
 
今回の調査では、平均値のほかに中央値も公表されています。貯蓄ゼロの世帯を含めた中央値は1026万円であり、平均値と中央値の間に大きな乖離(かいり)があることが分かります。
 
データを詳細にみると、貯蓄高の平均値を下回る世帯が3分の2を占めています。つまり、上位の集団が平均値を大きく引き上げるほど貯蓄高が大きいのに対し、貯蓄に回す資金が無い家庭もあるのです。
 
ここに金融所得倍増の課題がみえてきます。
 
多くの家庭が、貯蓄から投資に資金を回せるように分配を適切に行うことに加え、投資へと気持ちを向けるための情報収集や動機づけを行う必要があるのです。
 

重要性が増す金融教育と投資を促す制度

金融所得倍増には政府の取り組みも必要ですが、私たちも、今後の日本の進むべき方向性を意識した取組が必要です。
 
本年度から、高校生が家庭科で金融の授業を受けることになりました。これまで金融について学ぶ機会が無かった日本人にとって、大きな転機となるでしょう。
 
また、国は資産形成のためにNISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充や、高齢者に向けたiDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革を進めています。こうした機会を積極的に利用することで、資産形成の一助としたいものです。
 

金融リテラシーを高めることが所得増加につながる

私たちの生活は円安、インフレなど、デフレ下では経験したことの無いリスクに直面しています。
 
デフレ下では投資の必要はありませんでしたが、今後は金融リテラシーを高めることで、家計を取り巻くリスクに対処せざるを得なくなっている状況になりつつあります。
 
少しずつでも投資の知識を学ぶなど、給与所得以外の収益を得られるようにしましょう。
 

出典

内閣府 経済財政運営と改革の基本方針 2022 について
総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編) 2021年(令和3年)平均結果(二人以上の世帯
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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