更新日: 2024.10.10 貯金

貯蓄と貯金の違いとは? 増やし方にも違いはあるの?

貯蓄と貯金の違いとは? 増やし方にも違いはあるの?
私たちは日常生活では「貯蓄」と「貯金」を使い分けることはまずありません。改めて両者の違いの説明を求められると多くの人は困惑するでしょう。
 
しかし、この違いを理解することは、人生100年時代を生き抜くための金融リテラシーを高める第1歩でもあるのです。
 
そこで、本記事では貯蓄と貯金の違いについて、資金運用を始めるためのヒントとなるよう説明をしていきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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「貯蓄」と「貯金」は何が違う?

「貯蓄とは財貨をたくわえること」、それに対し「貯金とは金銭をたくわえること」と広辞苑(こうじえん)では定義されています。財貨と金銭が異なるということは分かっても、これだけではまだ決定的な差とはいえません。
 
財貨とは必ずしも現金だけを指すわけではありません。株式や投資信託、債券、保険など幅広い金融資産が含まれます。さらに、不動産や金などの貴金属も対象と考えられます。それに対し、貯金の対象は金銭に限定されています。
 
つまり、貯蓄とは運用によって元本を増やし、資産を形成することにほかなりません。それに対し貯金は、利息は得られるものの、元本を増やすことは想定されていません。タンス貯金という言葉がありますが、これは貯金という性質をよく表している言葉です。
 
ちなみに、「預金」と「貯金」についても混同しがちですが、これは、お金を預ける金融機関によって呼び方が異なるということだけです。銀行や信用金庫、信用組合などでは「預金」という名称が使われます。それに対し、ゆうちょ銀行やJAでは「貯金」という名称が使われます。
 

「貯蓄」は国策の時代へ

資産運用の必要性は、以前からあちこちで訴えられてきましたが、それにもかかわらず多くの人はリスクをとって運用することには消極的でした。しかし、老後2000万円問題や2022年5月に岸田内閣が「資産所得倍増プラン」を掲げたことで、多くの人の意識が変化し始めています。
 
多くの人が、老後に十分な年金を受け取ることができないのではないかという不安を感じ始め、公的年金を補完する資産形成の必要性を感じています。さらに、最近では長期間デフレから脱却できなかった日本でもインフレに対する懸念が高まっています。このままでは年金や給料が実質的に目減りしてしまう恐れがあるのです。
 
また、2022年6月には「骨太の方針2022」が閣議決定され、そのなかでiDeCoやNISAなど資産形成に必要な制度整備についても取り上げられています。このことから、「貯蓄」はいまや国策とさえいえるでしょう。
 

「貯蓄」と「貯金」の増やし方の違い

貯蓄はリスクをとって運用することが前提になります。一方、貯金は銀行口座に入金するだけです。場合によってはタンスの奥にしまい込んでしまうだけなので、金融リテラシーは必要なく、運用の手法によって成果は異なります。そのため、運用者には金融リテラシーが求められるようになります。
 
では、これまで運用に無縁だった人は何から始めればよいのでしょうか。
 
運用の基本は長期、積立、分散投資です。資産所得倍増を掲げる政府も、さまざまなツールを用意しています。まずは非課税で運用益を受け取れるiDeCoやNISAといった仕組みを積極的に利用しましょう。
 

「貯蓄」の重要性が増すこれからの日本

デフレ下では「貯蓄」と「貯金」を区別する必要はありませんでした。しかし、インフレの下では両者に大きな違いが生じます。「貯金」ではインフレに勝てず、実質的に価値が目減りする可能性があるからです。
 
インフレが現実味を帯びてきた今こそ、金融リテラシーを高め「貯蓄力」を高めていく必要があります。
 

出典

内閣府 経済財政運営と改革の基本方針 2022 について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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