更新日: 2022.08.16 貯金

お金持ちに学ぶ、お金の使い方

執筆者 : 宮﨑真紀子

お金持ちに学ぶ、お金の使い方
資産をたくさんお持ちの方(お金持ち)の、買い物の仕方やお金の使い方には共通点があります。“貯金できない、お金がない”という方が参考にしてほしい点は多いです。お金との付き合い方のポイントはどこにあるのかを検証します。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

買い物のスタンスは「自分が欲しいもの」

収入が多いのに貯金はゼロという人がいる一方で、収入が多くないのに金融資産を多く保有している人がいます。資産家の家に生まれても資産を食いつぶす人がいる一方で、資産を守り続ける人がいます。
 
“お金持ち”の定義は難しいですが、上手にお金を使い、蓄財ができる人を“お金持ち”と呼ぶのなら、その人たちには共通点があります。今回は、4つの共通点について取り上げます。
 

(1) メリハリのある買い物の仕方

お金があるからといって、すべてのものにダラダラとお金を掛けるというのは、とても非効率です。日常では無駄なお金を使わず、“ここぞ”という場面に集中してお金を使います。
 
“ここぞ”という場面では出し惜しみをしないので、購入したモノやサービスなどに対する満足感が大きいです。かなり吟味して購入していることが、失敗の少ない理由の1つかもしれません。
 
大好きなモノは大切に使う傾向にありますので、高価であっても長く使うことになりコストパフォーマンスは良くなります。
 

(2) 自分軸で買い物をする

ネットショッピングをする機会が増え、SNSなどでも買い物情報があふれています。AIが勝手に「あなたにお勧めの……」と気を利かせて、興味がありそうなアレコレを画面に表示してくれます。思わずサイトを開けてポチっと注文することもあるかもしれません。
 
実物が分からないモノを買うということは、無駄遣いにつながるケースが多いことに注意が必要です。返品はできますが、よほどのことがないと返品は面倒に感じるかもしれません。
 
友人や職場の同僚などに触発されて、時計を買った、車を買った、家を買った……というケースもあるでしょう。それがきっかけとなって購入を検討し、満足のいく買い物になった場合はいいですが、単なる見栄の買い物なら残念な結果になることは明白です。
 
お金持ちの場合「自分が欲しいから」が軸になっています。他人に惑わされることはあまりありません。「バーゲンで安くなっているので買おう!」ではなく、まず「コレが欲しい!」があって、「では安く買う方法は?」という順番です。
 

居心地の良い空間で過ごす

続いて、3つ目と4つ目の共通点です。
 

(3) 足るを知る

お金持ちの家は、スッキリと整っていることが多い傾向にあります。
 
「部屋を片付けるとお金が貯まる」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、以下の例を見るとこの意見に納得する人がいらっしゃるはずです。
 
例えば、


・ホチキスが見つからなくて買ったら、引き出しの奥から出てきた
・バーゲンでTシャツを買ったけど、家に同じようなものが3枚もあった

もし部屋が片付いていたら、このような無駄遣いは避けられます。「どうしてゴチャゴチャした部屋になってしまったのか」の理由は、モノを持ち過ぎていることにあります。
 
“取りあえず買っておこう”という経験はありませんか? これは悪いスパイラルに陥っているのです。お金持ちは自分にとっての適量を知っています。モノやお金に振り回されることなく生活できるのです。
 

(4) 相手を思う贈り物

先出の「自分軸で買い物をする」というと自己中心的な感じがしますが、お金持ちはお付き合いを重要視する傾向にあります。
 
“接待の手みやげ”で検索するとたくさんの贈り物が見つかりますが、筆者自身も気の利いたおみやげをいただくことが多いです。TPOや相手の嗜好(しこう)を考えて品物を選ばれたことが、後々のお付き合いにも影響することがあるのです。
 
また家がスッキリと片付いていますので、「お茶でもいかがですか?」と自宅に気軽に誘うこともできます。高級とされる住宅街の最寄り駅前は、生花店とケーキ屋さんは充実しているのに喫茶店が少ない、という特徴があります。自宅で居心地の良い時間を過ごしている人が多いのかもしれないと筆者は考えます。
 
以上は、あくまでもこれまで筆者とお付き合いのあった“お金持ち”の皆さんを通しての私的な考察です。ですが、お金と時間そして空間の使い方も学ぶべき点は多く、参考にしたいと思いました。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士