「食品ロス」を食い止めたい……。家でできる食費節約術とは?
配信日: 2022.08.21 更新日: 2024.10.10
こういった食品ロスは今、社会問題となっています。また、食品ロスの存在は家庭の食費の増加にもつながります。
家庭でできる食品ロスの削減と食費の節約術について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
食品ロスとは
食品ロスとは、本来であれば食べられたであろう食べ物が廃棄されてしまうことをいいます。クリスマスケーキなど季節性の高い食品が大量廃棄されたというニュースや外食産業で残される食品の廃棄問題の話題などについて、誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、食品ロスは事業者だけの問題ではなく、私たち消費者の一般家庭においても問題となっています。買ったけど口に合わなかったり賞味期限が切れてしまったりして食品を捨てたことがある。そんな経験が一度はあるのではないでしょうか。
日本における令和2年度の食品ロス発生量は522万トンと莫大な量となっています。そのうち約半数に当たる247万トンが私たち一般消費者の家庭から出ている食品ロスとなっており、私たちにとってひとごとではないものになっています。
食品ロスが社会に与える問題点
食品ロスが社会に与える影響は決して小さいものではありません。日本の食料自給率はカロリーベースで37パーセントと、大きく輸入に頼っているという現状があります。気候変動や紛争などで食料輸入が難しくなってしまうと、食糧難に陥る可能性もあります。
また、市町村などが食品ロスを含む廃棄物処理にかけているお金は年間でおよそ2.1兆円と莫大な費用となっています。この2.1兆円もの処理費用は税金から捻出されており、日本という国の収支にも影響を与えています。さらに、廃棄処理時に食品を燃やすことでCO2の排出量が増え、環境問題にもつながる恐れもあります。
このように、今の日本社会にとって、食品ロスの存在は無視ができないものとなっているのです。
食品ロスを抑えることは食費の節約につながる
個人差はありますが、1人当たりの年間食品ロスの量が41キログラムといわれています。これは1日当たりおにぎり1個分の食料を捨ててしまっていることになります。
4人家庭に換算すると、1ヶ月当たり1万5552円ほど無駄な支出が増えていることになります(1ヶ月30日、おにぎり1個当たり120円+8%の消費税で計算)。
つまり、一人一人が食品ロスに気を付けることで食費の節約につながり、家計の改善につながるのです。
食品ロスを減らすために家でできる節約術
食品ロスを減らして食費を節約するためには次のような方法が有効です。
買い物を工夫する
食品ロスを減らすならまずは買い物から工夫が必要です。買い物前には冷蔵庫の中を整理して必要なものを必要な量のみ買うようにすることが大切です。まとめて買う方が安いからとまとめ買いをして廃棄してしまうより、こまめに買い足した方が結果的に出費が安くなることも多いです。
残っている食材から使う
家にある食材を使って調理する際は残っているものや賞味期限が近いもの、劣化が早いものから優先的に使うようにすると、廃棄せず食品を使い切ることができます。
保存の仕方を工夫する
食品は小分け保存する、下ごしらえをする、冷凍するといった方法をとると通常よりも長く鮮度を保てることがあります。最適な保存方法は食材によっても異なるため、食品ごとに保存方法を工夫するようにすると、食品ロスを減らすことができます。
調理時は食べきれる量で残ったらリメイクや保存を
家で調理をする際は、食べきれる量にして食べ残しが出ないようにすることも大切です。万が一食べ残しが出た場合も冷蔵庫や冷凍庫で保管したり、別の料理にリメイクしたりするときれいに食べきることができます。
食品ロスを減らして社会貢献と食費の節約を
食品ロスは簡単な工夫で減らすことができ、家計に無理のない範囲で節約をすることが可能になります。食品ロスを減らすことは食費の節約だけではなく社会貢献にもつながります。
最近、食品を食べきれず捨ててしまったという経験のある方は、一度食べ物の扱いについて自分の行動を見直してみてはいかがでしょうか。
出典
環境省 我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)の公表について
消費者庁消費者教育推進課食品ロス削減推進室 食品ロス削減関係参考資料(令和4年6月14日版)
執筆者:柘植輝
行政書士