更新日: 2024.10.10 貯金
家の中がスッキリ片づければ、お金が貯まるって本当?
それが本当なら一石二鳥です。早速家の中を片付けて、本当にお金が貯まるか実験してみませんか?
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
家が片付いている人は、お金が貯まりやすい?
10月17日が“貯蓄の日”であることをご存じでしょうか。最近は「貯蓄から資産形成へ」と、資産形成の手段としての投資に注目が集まっていますが、貯めることが資産形成の第一歩であることに違いはありません。
では、お金を貯めるためにはどうすればよいのでしょうか。それはズバリ「無駄な支出をなくすこと」です。無駄遣いをなくす方法はいくつかありますが、今回は“スッキリ片づけて、持ち物を可視化”に的を絞って実践方法を考えたいと思います。
前述のとおり、「家が片付いている人は、お金が貯まりやすい」これは1つの考え方です。これまでの家計相談の経験からも、この言葉は間違いないと筆者は思います。
筆者は片づけの専門家ではありませんが、無駄な買い物をしないためには、今持っているものを把握することが大切です。そのためにはスッキリと片付いていることが前提です。
スーパーに行く前に冷蔵庫をのぞく習慣を
例えば冷蔵庫。賞味期限が切れていて食品を廃棄した、これは誰もが経験しているのではないでしょうか。使用頻度の少ない調味料などはさておき、冷蔵庫の中がゴチャゴチャしていることが原因で廃棄することが多いご家庭は、今すぐ片付けが必要です。
農林水産省の資料によると、令和2年度の日本の食品ロス量が約522万トンで、家庭系が約247万トンだそうです(※)。農林水産省の推定開始以来最少になったそうですが、これはSDGsの観点からも改善が必要だと思います。
筆者のもとを訪れた相談者さまのAさんは、「近所に3つのスーパーがあり、毎日買い物に行っています。今日はどこに行こうかな、と楽しみにしていますが、それってあまり良くない買い物方法ですよね」と、自身の買い物事情を話してくれました。
一般的には、買い物の回数を減らすほうが節約には有効とされています。食料品に限って考えると、内容は必需品と嗜好(しこう)品に分けることができます。
夕食の材料は必需品、お菓子やビールなどは嗜好品です。食材を買いに出掛けても、目の前にお菓子コーナーがあれば、ついつい誘惑に負けてしまうことも。誘惑回数が増えると普段以上に買い物をしてしまい、結果、無駄遣いになってしまうという流れです。
ですが一方で「3日分の食材をまとめ買い」にも危険があります。献立に合わせて、過不足なく買い物を進めることは難しいです。食材の鮮度、品質や値段をみて適当に買い物すると、中途半端に食材を残すことになるかもしれません。
これは冷蔵庫のゴチャゴチャの原因になってしまいます。冷蔵庫に何があるかが把握しにくくなると、「また買ってきちゃった」となり、使い切れずに廃棄する危険があるのです。Aさんのように1日分の買い物なら、余らせる食材も少ないので冷蔵庫内は見やすい状態になるかもしれません。
どちらの買い方が良いのかは決められませんが、いずれにしても無駄遣いを防止するためには「スーパーに行く前に冷蔵庫をのぞくこと」が大切で、一目瞭然にするためには「冷蔵庫をスッキリ片づけておくこと」が大事であることが分かります。
衣替えはクローゼット整理のチャンス
洋服やバッグをたくさん持っている人のなかには、自分の持ち物を把握できていない人がいます。洋服の好みは、そうそう変化するものではありませんので、同じようなアイテムをたくさん持ってしまうことになるでしょう。
食品と異なり消費期限がありませんので、捨てることなくモノは増え続けることになります。数が増えると管理しきれなくなり、さらにスパイラルに陥ってしまいます。
「片付けないといけない」ということは分かっていても、なかなか実践できないのが現実です。衣替えはひとつのきっかけになると思います。クローゼットや押し入れのケースを全部出して、全容を認識することが片付けのスタートだといえます。
モノを減らすと、今本当に必要なものが分かります。「取りあえず買っておこうか」という曖昧な無駄遣いから脱却できるのではないでしょうか。「家を片付けたので、お金が貯まった」となるように、片づけに取り組んでみませんか。
最後に、要らなくなった洋服の処分の仕方もひと工夫しませんか?
状態の良いものは、フリマサイト等に出品したりブックオフなどの買取業者に持ち込んだりすれば、ちょっとしたお小遣いになるかもしれません。自治体でも古布のリサイクルを行っている他、店舗で引き取りをするアパレル業者も増えました。
自社ブランド以外でも引き取ってもらえる場合もありますし、時には「3000円以上購入時に使える商品券500円分を進呈」といったキャンペーンを実施している例もあります。燃えるゴミとして処分する前に、調べてみることをお勧めします。
出典
(※)農林水産省 食品ロス量が推定開始以来、最小になりました
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士