更新日: 2024.10.10 その他家計
家計簿管理が続かないのはなぜ? 家計管理で必要な考え方を解説
家計簿をきちんとつけようと思うと、実はかなり大変です。このため、長続きしない方も多いです。本記事では、家計簿管理が続かない理由、家計管理で必要な考え方について解説します。
執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
家計簿管理の目的
「なぜ家計簿をつけているのですか」と聞かれたら、あなたは何と答えますか。「お金(家計)を管理するため」では、不充分です。「家計簿をつけた方が良いと思うから」というのも不適切です。この質問の答えの中に、特定の目的が含まれていないのであれば、家計簿管理は続きません。
あなたが「お金の管理をしなければ!」と思ったときのことを思い出してください。大きなお金を準備する必要があったのではないでしょうか。例えば、お子さんの教育資金や住宅購入資金、老後資金などは人生の3大資金といわれ、家計管理をするきっかけになりやすいものです。
家計簿は、家計管理に必要なアイテムと思われがちです。そして、家計管理をするには、家計簿をしっかり(1円単位で)つける必要があると思われがちです。これが、家計簿管理が続かない1番の理由です。
家計簿をつける目的は、およそ以下のようなものになるはずです。
●支出の現状把握
●支出の見直し
●支出のコントロール
そして、その先にあるのは、以下のようなものになるのではないでしょうか。
●教育資金(大学資金など)を準備するため
●住宅購入資金を準備するため
●老後資金を準備するため
●その他まとまった資金を準備するため
家計管理で必要な考え方
「PDCAサイクル」をご存じでしょうか。PDCAは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のことをいい、このサイクルを繰り返し行うことで、業務の効率化を図るというものです。
PDCAサイクルを家計に当てはめると、以下のようになります。
●Plan(計画):資金計画
●Do(実行):やりくり
●Check(評価):家計簿
●Action(改善):見直し
家計管理で大切なのは、これらをうまくコントロールしていくことです。ベースにあるのは資金計画であり、ライフプランニング(人生設計)です。ライフプランニングを実現するために、資金計画や家計管理があるといってもよいでしょう。
誤解を恐れずいえば、ライフプランニングを実現できれば、家計簿を子細に記入する必要はないのです。家計簿は、ご自身がお金を使っている感覚と、実際に使ったお金との間に大きな乖離(かいり)がないかを確認するためのものと思っていただければ良いのです。
もし、この金額に大きな差が生じているのであれば、それは問題視する必要があります。「お金がなぜか貯まらない」という場合は、このような状態に陥っていると思われます。お金について把握できていない部分があるということになりますので、それは何かを知る必要があり、改善していく必要があります。
まとめ
本記事では、家計管理をテーマに、家計簿管理が続かない理由と家計管理で大切な考え方について解説しました。ポイントは、「家計管理をする目的」にあります。
家計簿管理が続かない理由として、それ自体が目的化してしまっていることがあります。学生時代の「ノートをきれいにまとめる」というのに似ています。本来の目的を見失わないよう気を付けましょう。
家計管理で大切なことは、PDCAサイクルを回すということです。PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のことをいいます。これを家計に当てはめると、P(資金計画)、D(やりくり)、C(家計簿)、A(見直し)となります。
大事なのは、続けることです。細かいことを気にしすぎて続けられないより、大ざっぱでも続ける方が大切です。続けていれば、家計管理は習慣化します。これこそが、あなたが目指している将来像ではないでしょうか。
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー