更新日: 2024.10.10 その他家計

30代の業務委託人材の8割が「将来が不安」。もしものときのリスクと備えとは?

30代の業務委託人材の8割が「将来が不安」。もしものときのリスクと備えとは?
企業の相次ぐ「副業解禁」などの影響もあり、フリーランスを含めた「業務委託」で仕事を探す人が増えています。
 
業務委託には、「自分にあった仕事を探しやすい」「単価を調整しやすい」といったメリットがある一方、正社員と比べると、社会保険制度の違いなどから将来への不安を感じる人も少なくありません。
 
業務委託人材が抱える将来の不安と、その備えについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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現役業務委託人材が考えるキャリアと抱える不安

2022年10月17日、人材サービスを手掛ける株式会社みらいワークスは、エンジニアや営業、コンサルティングなどの業務委託で働いている30代の100人に対して実施した、「プロフェッショナル人材のキャリアに関する意識調査」の結果を発表しました。
 
同調査によると、30代の業務委託人材が考える、「業務委託人材としての引退時期」は56~60歳が20%と最も高く、次いで61~65歳、51~55歳と並びます。
 
さらに報酬については、「年齢が上がるとともに向上する」と回答した人が全体の48.0%で最も多く、その理由としては「年齢によって信頼が上がるから」と考えている人が最多という結果になっています。
 
その一方、今後のキャリアについては41.0%の人が「非常に不安を感じている」という結果となり、同じく41.0%となった「やや不安に感じている」の人を合算すると、80%超の業務委託人材がキャリアに不安を感じていることが明らかになっています。
 
その理由としては業務委託ならではの「仕事の不安定さ」が挙げられます。具体的には不安に感じていると回答した人の理由としては以下が挙げられています。

・フリーランス環境の競争が激化する:52.4%
・若手人材に仕事を奪われる:51.2%
・クライアントの要求が高度になる:42.7%
・長期的な案件確保の保障がいない:42.7%
・負傷、疾病時の補償がない:26.8%

将来や万が一のときに備えるためには「収入」と「支出」、そして「資産運用」が重要です。
 
30代は業務委託人材やフリーランスにとっても「稼ぎ時」であるため、頑張って収入を増やすと同時に、収支を適切な支出管理と資産運用を行うことで、将来の不安の軽減につなげられます。
 

業務委託人材が検討すべき制度

業務委託人材は仕事だけでなく、自身の将来についても、自ら意思決定しなければ現状は変わらないといえるでしょう。
 
そこで、将来に備えるために検討する価値がある制度を紹介します。
 

国民年金基金

国民年金基金は公的年金制度で、自営業者などの「老後の所得保障」を担っています。
 
厚生年金がない自営業者と、国民年金+厚生年金+企業年金の会社員では、老後に受け取れる年金に大きな差があります。その差を埋めるために設けられたのが国民年金基金です。
 
国民年金基金に加入すれば、掛け金が「全額社会保険料控除」として、確定申告により所得税・住民税が軽減されます。税制の軽減措置を受けられながら、死亡するまで受け取れる「終身年金」であるため、検討する価値はあると考えられます。
 

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、国民年金に上乗せして老後資金を蓄えるために設けられた年金制度です。掛け金を出して金融商品を選び、長期間運用することが前提であり、積み立てた資産は60歳以降に受け取れます。
 
掛け金は月額最低5000円からで、上限は自営業者の場合、月額6万8000円と公務員よりも高く設定されています。
 
ただし、掛け金は国民年金基金と合算することを覚えておきましょう。国民年金基金に加入している場合、上限の月6万8000円を満額掛け金とすることはできません。
 
iDeCoは「掛け金が全額所得控除」「運用中の利益は全額非課税」「受取時は退職所得控除の対象」など、非常に優れた税制優遇措置が設けられています。業務委託人材であれば資産運用の強化のために検討してみてはいかがでしょうか。
 

まとめ

業務委託人材が抱える不安は、今後、大幅な改革がなければ外的な要因で改善する可能性は少ないと考えられます。つまり、自身で収入、支出、資産運用のバランスを見直し、プライベートも含めてさまざまな改善に取り組むことが求められます。
 
しっかりと現状を振り返り計画を練った上で、積極的に取り組むことをおすすめします。
 

出典

株式会社みらいワークス プロフェッショナル人材のキャリアに関する意識調査
厚生労働省 iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?
国民年金基金 国民年金基金制度とは?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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