物価上昇で苦しくなる家計! 年収別にみる食費の実態と節約のポイントとは?
配信日: 2022.12.06 更新日: 2024.10.10
ただ、食費は過度に減らせません。本記事では、年収別に適正な食費を確認した上で、食費節約のポイントを紹介します。
執筆者:勝川みゆき(かつかわ みゆき)
ファイナンシャルプランナー2級・AFP
年収別にみる平均的な食費
総務省統計局の家計調査で、2人以上の世帯で平均いくらの食費がかかっているのかを、収入階級別にみていきます。住んでいる地域や世帯人数、家族構成や年齢によっても、食費は変わってきますが、参考にしてみてください。
平均値
まずは、1世帯当たり1ヶ月の食費(2022年9月)の平均をみてみます。
【図表1】
世帯年収 | 330万円以下 | 330~468万円以下 | 468~640万円 | 640~890万円 | 890万円以上 |
---|---|---|---|---|---|
1世帯当たり1ヶ月の食費 | 6万673円 | 7万805円 | 7万3904円 | 8万2166円 | 9万7927円 |
※総務省統計局 家計調査(2022年9月)家計収支編 年間収入五分位階級別より筆者作成
世帯年収が多いほど、食費が高いことが分かります。平均値でみると、収入の多い家庭でも、菓子類や酒代などの嗜好品や外食費なども含めて10万円以内に収まっています。
エンゲル係数
エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める食費の比率(%)のことです。
【図表2】
世帯年収 | 330万円以下 | 330~468万円以下 | 468~640万円 | 640~890万円 | 890万円以上 |
---|---|---|---|---|---|
エンゲル係数 | 33.1% | 31.4% | 28.2% | 26.4% | 23.1% |
※総務省統計局 家計調査(2022年9月)家計収支編 年間収入五分位階級別より筆者作成
エンゲル係数は、生活水準を測る指標の1つです。
一般的に、エンゲル係数が低いほど生活水準は高い傾向にあり、世帯年収が高いほどエンゲル係数は低くなります。収入が低い家庭では、必要不可欠である食費にかける割合が高くなるため、エンゲル係数は高くなるのです。
節約のポイント
食費の節約は、コツコツと続けることで成果が出ます。つまり、日々の積み重ねが大事ということです。
家計簿をしっかりとつける
何にどれくらいお金を使っているのかを把握することが、節約をする上でとても大切です。
家計簿アプリの利用のほか、クレジット決済やスマホ決済なども活用し、支払い記録を簡単に確認できるようにするなど、自分に適した方法で手軽に家計簿をつけられるよう工夫しましょう。
数ヶ月つけるだけでは、あまり意味がありません。長く続けられるよう、できるだけ面倒でない方法で記録し、使い過ぎていないかを毎月チェックすると、より効果的に家計簿を活用できます。
そして、毎月の食費を明確に把握し、年収別の平均値やエンゲル係数と照らし合わせ、自分の食費で節約可能な部分があるのかどうかを考えてみてください。
目標額を設定する
食費を節約する上で大切なことは、無理をし過ぎないことです。無理をし過ぎた反動でストレスがたまり、ストレス解消のための食品購入や外食が増えてしまっては意味がありません。
無理をしないためにはまず、自分にとっての適正な食費の金額を知ることが重要です。年収別の平均的な食費やエンゲル係数を参考に、無理のない目標額を設定してみてください。
外食費は別でつける
カフェや外食、コンビニでの食品購入などは割高なため、利用回数が少し増えるだけで食費が大きく変わってきます。
家計簿をつける際に分けておくことで、目標額も別で設定しやすく、節約しやすいポイントになります。
参考までに、食費の中でも、外食費のみで平均どれくらい使っているのかを年収別にみてみます。
【図表3】
世帯年収 | 330万円以下 | 330~468万円以下 | 468~640万円 | 640~890万円 | 890万円以上 |
---|---|---|---|---|---|
外食費(学校給食を除く) | 3866円 | 5880円 | 8680円 | 1万1793円 | 1万8938円 |
※総務省統計局 家計調査(2022年9月)家計収支編 年間収入五分位階級別より筆者作成
世帯年収により、大きく差があることが分かります。外食費が多い家庭では、外食を控え自炊を心がけたり、外食費の金額を決めてその範囲内で収めるよう努力したりするだけで、大きな節約につながる可能性があります。
食料を無駄にしない
食費を節約しようとして意外とやってしまいがちなのが、安い食料を買い過ぎてしまうことです。まとめ買いをする際には特に注意が必要です。
冷蔵庫の中身をできるだけ把握し、必要以上に詰め込み過ぎないようにしましょう。食品ロスをなくし、使い切れる分だけを買うことを徹底することで節約につながるでしょう。
まとめ
物価の上昇は続いていますが、食費は生きていく上で必ずかかるものなので、極端な節約は難しいといえます。
しかし、自身の家庭の食費や収入を平均値と照らし合わせてみることで、収入に見合った金額か、節約する余地があるのかを考える参考になるのではないでしょうか。
節約のポイントを抑えて無理なく節約し、物価上昇の影響を緩和しましょう。
出典
総務省統計局 家計調査(家計収支編)年間収入五分位階級別 二人以上の世帯表番号2-4(2022年9月)
執筆者:勝川みゆき
ファイナンシャルプランナー2級・AFP