家庭のエンゲル係数の平均はどれくらい? 年齢・年収・世帯人数別にチェック!
配信日: 2022.12.23 更新日: 2024.10.10
エンゲル係数の計算方法や平均値が分かれば、自分たちの食費の割合が多いのか少ないのか判断しやすくなります。
本記事では総務省統計局の家計調査から、エンゲル係数の計算方法や平均値について見ていきます。自分たちのエンゲル係数がどれくらいなのか確認してみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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エンゲル係数とは
「エンゲル係数」とは、家計の消費支出に対して食費がどれくらいの割合なのかを表す指標のことです。エンゲル係数は以下の計算式で求められます。
・エンゲル係数(%)=(食費÷消費支出)×100
食費には、自炊のために購入した食料品費だけでなく外食やお酒の費用も含まれます。例えば、消費支出が20万円で食費が4万円の場合のエンゲル係数は20%です。一般的に、エンゲル係数の割合が低いほど生活にゆとりがあるといわれています。
二人以上世帯のエンゲル係数の平均は?
世間一般の消費支出や食費、エンゲル係数を知ることは大切です。ひとつの判断基準が分かることで、自分たちの食費やエンゲル係数が高いのか低いのかを判断しやすくなります。「平均値の◯%にまで近づけよう」など節約の目標にもなります。
ここでは、世帯主の年齢別・年収別、世帯人数別の食費やエンゲル係数の平均値について見ていきましょう。
世帯主の年齢別の消費支出・食費・エンゲル係数
総務省統計局「家計調査 家計収支編 2022年9月分」によると、二人以上の世帯における、世帯主の年齢別の消費支出・食費・エンゲル係数は図表1のとおりです。
【図表1】
世帯主の年齢 | 消費支出 | 食費 | エンゲル係数 |
---|---|---|---|
平均 | 28万999円 | 7万7095円 | 27.4% |
~34歳 | 23万3372円 | 6万2943円 | 27.0% |
35~39歳 | 28万2661円 | 7万5875円 | 26.8% |
40~44歳 | 27万6818円 | 8万3795円 | 30.3% |
45~49歳 | 32万911円 | 8万3279円 | 26.0% |
50~54歳 | 38万7213円 | 8万3116円 | 21.5% |
55~59歳 | 33万3952円 | 8万2403円 | 24.7% |
60~64歳 | 30万2950円 | 8万1659円 | 27.0% |
65~69歳 | 27万1365円 | 7万9736円 | 29.4% |
70~74歳 | 24万4611円 | 7万3479円 | 30.0% |
75~79歳 | 24万3219円 | 7万2601円 | 29.9% |
80~84歳 | 19万7665円 | 6万6649円 | 33.7% |
85歳~ | 19万6084円 | 6万2574円 | 31.9% |
総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2002年9月 表番号3-2」より筆者作成
図表1のとおり、50代前半までは消費支出と食費は増加傾向にありますが、50代後半からは減少傾向です。エンゲル係数は、40代前半までは比較的高く40代後半からは低下して、収入が減る60代以降から再び高くなります。70歳以降からは30~33%程度と高い水準です。
世帯主の年収別の消費支出・食費・エンゲル係数
総務省統計局「家計調査 家計収支編 2022年 9月分」によると、二人以上の世帯における、世帯主の年収別の消費支出・食費・エンゲル係数は図表2のとおりです。
【図表2】
世帯主の年齢 | 消費支出 | 食費 | エンゲル係数 |
---|---|---|---|
平均 | 28万999円 | 7万7095円 | 27.4% |
200万円未満 | 15万5028円 | 5万4217円 | 35.0% |
200万円以上250万円未満 | 17万3243円 | 5万8729円 | 33.9% |
250万円以上300万円未満 | 17万8121円 | 5万9616円 | 33.5% |
300万円以上350万円未満 | 21万3921円 | 6万6135円 | 30.9% |
350万円以上400万円未満 | 21万641円 | 6万8107円 | 32.3% |
400万円以上450万円未満 | 23万8684円 | 7万4520円 | 31.2% |
450万円以上500万円未満 | 24万1114円 | 7万3463円 | 30.5% |
500万円以上550万円未満 | 26万1199円 | 7万3764円 | 28.2% |
550万円以上600万円未満 | 26万250円 | 7万5285円 | 28.9% |
600万円以上650万円未満 | 28万1525円 | 7万3978円 | 26.3% |
650万円以上700万円未満 | 28万8382円 | 7万5715円 | 26.3% |
700万円以上750万円未満 | 32万6471円 | 8万361円 | 24.6% |
750万円以上800万円未満 | 29万7884円 | 8万3721円 | 28.1% |
800万円以上900万円未満 | 33万1869円 | 8万8984円 | 26.8% |
900万円以上1000万円未満 | 33万3768円 | 8万6585円 | 25.9% |
1000万円以上1250万円未満 | 39万6051円 | 9万4463円 | 23.9% |
1250万円以上1500万円未満 | 45万6659円 | 10万602円 | 22.0% |
1500万円以上 | 57万1668円 | 11万6705円 | 20.4% |
総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2002年9月 表番号2-3」より筆者作成
図表2のとおり、年収が上がるほど消費支出と食費は高くなりますが、エンゲル係数は低下する傾向にあります。年収が500万円未満の場合はエンゲル係数が30%を超えていますが、年収が500万円を超えると20~28%前後となっています。
世帯人数別の消費支出・食費・エンゲル係数
総務省統計局「家計調査 家計収支編 2022年 9月分」によると、二人以上の世帯における、世帯人数別の消費支出・食費・エンゲル係数は図表3のとおりです。
【図表3】
世帯主の年齢 | 消費支出 | 食費 | エンゲル係数 |
---|---|---|---|
平均 | 28万999円 | 7万7095円 | 27.4% |
2人 | 24万3784円 | 6万7987円 | 27.9% |
3人 | 29万9607円 | 7万9808円 | 26.6% |
4人 | 32万8465円 | 8万7729円 | 26.7% |
5人 | 32万3503円 | 9万1946円 | 28.4% |
6人以上 | 33万606円 | 11万1109円 | 33.6% |
総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2002年9月 表番号3-1」より筆者作成
世帯人数が2~5人のエンゲル係数26.6~28.4%と、それほど大きな差はありません。しかし、6人以上になると33.6%と、エンゲル係数は一気に高くなります。
家庭のエンゲル係数を確認して食費の見直しを!
エンゲル係数は、割合が高いほど生活水準は低く、低いほど生活にゆとりがあるといわれています。
総務省統計局の調査から、エンゲル係数は世帯主の年齢が40代前半までは高く40代後半からは低下し、収入が減る60代以降から再び高くなる傾向が見られます。また、世帯人数が6人以上になると高い水準になっています。このように、今回の調査結果から世代や年収別・世帯人数ごとの平均的な生活水準がお分かりになるでしょう。
ぜひ一度、自分の家庭の食費とエンゲル係数を算出してみてください。そして、世間一般の数値と比較して自分の家庭はどうなのかを知り、食費について見直してみましょう。
出典
埼玉県 エンゲル係数とは何ですか
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2002年9月 表番号3-2、2-3、3-1
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部