50代の貯金額中央値は？「貯蓄3000万円以上」の割合は意外と多い!?

50代は家計を圧迫しがちだった子どもの教育費の支出が終わりを迎える人が多く、多少金銭的なゆとりが生まれることから老後に向けての貯蓄を少しずつ意識し始める年代です。そのため、他の世帯ではどれくらい貯蓄をしているのか気になるところでしょう。
 
本記事では、世帯主が50代の世帯の貯金額中央値や3000万円以上貯蓄している世帯の割合などを紹介します。

50代の貯金額の平均値と中央値

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、世帯主が50代の世帯で金融資産を保有していない世帯の割合は23.2%です。約4分の1は金融資産を保有していないことになります。
 
世帯主が50代の世帯における金融資産保有額の平均（金融資産を保有していない世帯も含む）は1386万円で中央値は400万円です。金融資産を保有している世帯のみのデータだと金融資産保有額の平均は1825万円、中央値は800万円でした。
 
平均値はデータの合計をデータの個数で割った数値で、中央値はデータを順番に並べたときに真ん中に来る数値を意味します。平均値は極端に高い、あるいは低い数値がある場合に影響を受けてしまいますが、中央値は極端な数値の影響を受けないことが特徴です。
 
金融資産を保有していない世帯を含めた貯金の平均値、中央値と金融資産を保有している世帯だけの貯蓄の平均値、中央値は大きく違うことから、金融資産をまったく保有していない世帯が全体の4分の1弱を占める中で、多くの金融資産を保有している世帯もかなり多いことが分かります。
 

金融資産を3000万円以上保有している世帯の割合

世帯主が50代の世帯における金融資産保有額を見てみると、金融資産を保有していない世帯が最も多く、23.2%でした。2番目に割合が多いのは3000万円以上の世帯で12.9%という結果になっています。50代の10分の1以上は3000万円以上の金融資産を保有している状況です。3番目に多いのは100万円未満で8.9%、4番目が1000～1500万円未満で8.0%という結果でした。
 
金融資産を保有している世帯だけで見てみると、3000万円以上の世帯は最も割合が高く16.8%でした。2番目に多いのは100万円未満で11.6%、3番目が1000～1500万円未満で10.5%となっています。1000万円以上の金融資産を保有している世帯は、金融資産を保有していない世帯も含めると33.2%、金融資産を保有している世帯だけで見ると43.3%に及びました。
 
全体の約3分の1の世帯では1000万円以上の金融資産を保有しており、金融資産を保有する世帯だけで見ると半数近くに上っています。金融資産を保有していない世帯と100万円未満の世帯の割合は、金融資産を保有していない世帯も含めると32.1%と全体の約3分の1に及んでいます。
 
このことから、金融資産を保有している世帯とまったく保有していない、ほとんど保有していない世帯の両極端に分かれているといえるでしょう。
 

50代の貯金額中央値は400万円で3000万円以上貯蓄している世帯は12.9%

金融資産を保有していない世帯も含めた世帯主が50代の世帯の貯金額中央値は400万円です。金融資産がまったくない世帯が全体の4分の1弱、100万円未満の世帯と合わせて約3分の1だったのに対し、3000万円以上の金融資産を保有する世帯は10分の1以上に及びました。
 
貯蓄がほとんどできていない世帯としっかりできている世帯の差が顕著に表れていることがお分かりいただけたと思います。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査［二人以上世帯調査］（令和3年以降）各種分類別データ（令和3年） 3 金融資産保有額（金融資産保有世帯）
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査［二人以上世帯調査］（令和3年以降）各種分類別データ（令和3年） 4 金融資産保有額（金融資産を保有していない世帯を含む）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部