医療費の領収書の見方と薬代などの節約方法を解説

配信日: 2023.02.02 更新日: 2024.10.10

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医療費の領収書の見方と薬代などの節約方法を解説
病気やけがなどの治療を受けると医療費の領収証が発行されます。医療費の領収証を確認すると治療内容が詳しく分かるため、医療を受けるときにもコスト意識が生まれます。
 
薬代などの医療費を少しでも節約したい方は必見です。
杉浦詔子

執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)

ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
 
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
 

医療費の領収証の見方

医師から受ける医療行為や処方される薬にはそれぞれ点数がついており、1点につき10円で計算されます。どのような治療を受けたかが誰にでも分かるように医療費の領収証には厚生労働省が定めた別紙様式1という参考様式が標準とされています。
 
まずは診療報酬の内訳が分かる保険の欄に書かれている項目を確認しましょう。
 
【図表1】(別紙様式1)医療費の領収証


 
出典:厚生労働省 「医療費の内容の分かる領収証及び個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書の交付について」
 
【図表2】医療費の領収証の保険欄記載の内容

項目名 概要
1 初・再診料 医師の診察を受けたときの最初の診察料が初診料、2回目以降の診察料が再診料
2 入院料等 診療や看護、部屋代など入院にかかる費用です。入院費の計算は1日単位のため、1泊2日の入院の入院料は2日分となります。
3 医学管理等 生活習慣病などの患者に対し、計画的な療養管理などを行う費用
4 在宅医療 患者宅にて医師が診療・指導を行う場合、看護師などが在宅医療訪問看護・指導を行う場合の費用
5 検査 血液検査や尿検査などの検査にかかる費用
6 画像診断 レントゲン・CT・MRIなど画像診断にかかる費用
7 投薬 薬剤料や、医師が薬の種類や量などを指示する処方料、薬剤師が投薬を行う際の調剤料や調剤基本料の費用
8 注射 皮下注射や点滴など、注射の薬代と注射を打つ技術料
9 リハビリテーション 理学療養士や作業療養士などのリハビリテーションを受けた場合にかかる費用
10 精神科専門療法 精神科を担当する医師が、患者やその家族などに対して、病状の確認や相談などの支援を行った場合の費用
11 処置 けがの手当てに使用するガーゼなどの交換や応急処置など、処置にかかる費用
12 手術 手術にかかる費用
13 麻酔 手術や治療時の麻酔にかかる費用
14 放射線治療 がんの治療などの放射線を用いた治療に対する費用
15 病理診断 検査や手術などで採取し組織の一部を調べる病理診断の費用
16 診断群分類(DPC) 診断群分類と呼ばれる区分で、入院1日単位の定額で医療費が計算される場合の1日の定額の費用
17 食事療養 入院中に提供される食事にかかる費用
18 生活療養 65歳以上の患者が療養病床に入院するとかかる費用
19 評価療養・選定療養 先進医療、医薬品や医療機器の治験にかかる診療など、将来は保険適用になる可能性のある治療に関する費用
20 その他 その他の費用(内容が不明の場合は医療機関にて確認)

※厚生労働省 「医療費の内容の分かる領収証及び個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書の交付について」より筆者作成
 
今まで病院の領収証をもらっても明細を確認していなかった人は、初診料や薬代など、それぞれにいくらかかったのか確認しておきましょう。
 

医療費の節約ポイント3つ

医療費の節約には主に3つのポイントがあります。1つ目はジェネリック医薬品に変えること、2つ目は診療間隔を空けること、3つ目は自費診療を行わないことです。
 

ジェネリック医薬品の活用

処方される薬をもらうとき、処方箋の薬と同じ効果があるジェネリック医薬品に変更できるか確認しましょう。ジェネリック医薬品は後発医薬品のことで、先発医薬品と効果は同じで値段が割安となります。「ジェネリック医薬品に変えてください」と言いにくい方は、あらかじめ健康保険証にジェネリック医薬品を希望することを書いておきます。
 
また、薬局によっては時間外利用料が加算されることがあります。遅い時間や土曜の午後に診察を受けた場合で、薬の受け取りが翌営業日でも問題がない場合は、翌営業日の時間内に薬を受け取ると薬代の節約となります。
 

診療間隔を空ける

再診料は少額でも負担になるもの。医師から「〇日後に来てください」と言われ、診察してもらうと再診料がかかります。ある程度病状が落ち着いたら治療薬を2週間分や1ヶ月分など、まとめて処方が可能か確認しましょう。まとめることで、診察を受ける回数が減り再診料を抑えられます。
 

治療は保険診療を選択する


治療には保険診療と自費診療がありますが、保険診療を選択することも医療費の節約となります。
 
保険診療とは、健康保険などの公的医療保険が適用となる診療であり、自己負担が1割~3割で、残りは健康保険などから支払われます。自費診療は10割全額を自分が負担します。令和4年4月から、人工授精などの「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精などの「生殖補助医療」も保険適用となるなど、保険適用の範囲は常に変化しています。
 
医療費を節約するか、治療や投薬を優先するかは、そのときの病状や治療方法により異なるため、医師や薬剤師とよく相談することが大切です。
 

出典

厚生労働省 医療費の内容の分かる領収証及び個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書の交付について
 
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

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