更新日: 2024.10.10 家計の見直し
節約生活を3回挫折。節約リバウンドを克服した女性が気づいた、節約ルールの意外な落とし穴
そうした中で、少しでも家計の負担を減らそうと、節約を心がけている人も増えている。
ここでは、節約に取り組んだものの、3度の節約失敗を経験したKさんの話をみていこう。また、Kさんがどのようにして出費削減に成功したのかも紹介していく。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
節約生活を心がけるも3回の挫折
今回お話を伺ったのは、都内で勤務する20代後半の女性、Kさんだ。
Kさんは大学卒業と同時に上京し、現在の職場に至っている。手取り収入にはやや不満があるものの、労働環境には満足しており、仕事自体も自分に向いていたこともあり、勤務し続けていたそうだ。
「仕事自体は好きだったので転職するつもりはありませんでした。でも、いつも金欠気味になってしまうのは不満で……。同じ職場の人たちとも会話をするのですが、『手取りが少なすぎて、家計がキツイ』などの話は聞いたことがなかったため、自分の出費が多いのだと考えましたね。将来の不安もあるので、節約を始めました。」
1回目の節約生活:安売り弁当で食費削減
そうして節約生活を始めたKさんだったが、1回目の節約生活は長くは続かなかったそうだ。
「節約といってもどこから手をつければよいのか分からなかったので、食費を削るところから始めました。普段なら500~800円程度の昼食をとるのですが、前日に購入したスーパーの安売り弁当で済ませようと心掛けました」
最初の方こそ、昼食分の節約になると続けていたそうだが、いつも代わり映えしない弁当に、飽きがきてしまったと話す。
「お総菜の弁当って、ほとんど具材が変わらないんですよ。だからすぐに飽きてしまって……。栄養の偏りも気になりますし、誰かに気づかれないかビクビクしていました。節約しているとはいえ、ずっと安売りのお弁当を食べることに、後ろめたい気持ちもありました」
そうして、Kさんは一度目の節約生活は断念してしまったそうだ。
2回目の節約生活:毎日の自炊で食費削減
しかし、Kさんも簡単には諦めず、別の方法で節約生活を続けた。
「1回目の失敗を踏まえて、毎日の食事でやせ我慢をするのは辞めようと決めました。そこで、毎日自炊をすることで、食費を抑えようとしたんです」
Kさんは料理自体には興味があったため、ネット上の節約レシピを検索し、自炊で節約しようと試みた。
最初の方こそ、毎日しっかりと料理を続け、昼食も自作の弁当をつくることで、節約できていたそうだ。しかし、社会人にとって自炊を続けることは、難易度が高いらしい。
「自炊も最初は続けていたんですけど、仕事と両立するのは難しいですね。残業が続くと、帰宅するころには料理をする気力が残っていませんでした。」
そして、Kさんはここで2度目の節約挫折を経験することになる。
「残業終わりには、いつも外で食事を済ませていたんです。家に帰っても食べられるものがありませんから。そこでは『いつも自炊して節約しているから』ということを口実に、価格の高い料理も注文していました。そうした生活を続けていると、その月の出費が自炊する前と比べて高くなっていて、ショックでしたね。」
こうした節約リバウンドによる失敗は珍しくない。普段から節約をがんばっている分、ちょっとしたぜいたくを繰り返し、いつもより出費が多くなってしまうのだ。
3回目の節約生活:食事会を断ることで交際費削減
2度の節約失敗を経験したKさんは、最後の手段として交際費を削ろうと考えた。
Kさんは毎月、学生のころからの友人たちと食事会をするのが日課だった。しかし、自分のがんばりでは節約できないと考えたKさんは、こうした食事会を断るようにしたのだ。
いつもなら2つ返事で食事会を了承するKさんが、突然来なくなったことに友人たちも心配したそうだ。
「『悩みがあるなら聞くよ』といった連絡も来ましたが、心が痛かったです。『節約しているから行かない』とは、なかなか言い出せませんから。とはいえ、このまま友人たちに心配をかけるのはダメだと考え、結局この節約方法もうまくいきませんでした」
交際費を削る方法もうまくいかなかったKさんは、結局食事会に参加し、友人たちにも節約について相談した。
友人たちに相談し、固定費に着目した
友人たちに節約について相談すると、「節約するんだったら、まずは固定費から見直したら?」とアドバイスをもらった。
「これを言われたときは、本当に効果があるのかと疑問に思いました。だって『電気の契約プランを変える』とか『格安SIMに変える』とかって分かりにくくないですか?」
最初はそう感じていたKさんも、実践してみるとその節約効果に驚いたそうだ。
「実際にやってみると本当にビックリしました。契約プランを変えるだけであんなに安くなるんですね。」
結果的にKさんは、契約プランの変更によって毎月の電気代を2000円ほど削減し、格安SIMの変更によって、毎月の通信費を3000円ほど削減したと語る。ひと月単位では約5000円の見直しとなり、年単位では約6万円もの出費削減を実現したそうだ。
節約するならば、変動費ではなく固定費から着目しよう
節約しようと考えたとき、多くの人は食費や交際費といった変動費に着目してしまう。もちろん、今回紹介したKさんのように、なるべく外食を避け自炊を心がけるのも、節約行動としては間違っていない。
しかし、こうした節約行動は労力がかかり、結果として挫折してしまう人も少なくない。そのため、節約をするのであれば、まずは固定費に着目するのがよいだろう。
電気代や通信費といった部分だけでなく、使用していないクレジットカードの年会費やサブスクリプションサービスなど、見直すべき点は多いだろう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部