更新日: 2024.10.10 働き方

マイクロ法人にもデメリットはある! 設立前にフリーランスが知るべき注意点

マイクロ法人にもデメリットはある! 設立前にフリーランスが知るべき注意点
個人事業主やフリーランスは、厚生年金や健康保険などさまざまな面で法人よりも保障が手薄な印象があり、法人化を検討する人も増えています。
 
保障面以外でも、個人事業での所得に対する税制面から考慮し、法人化することで節税につながるのではないかと考える人も少なくないようです。
 
そこで今回は、フリーランスが個人事業から法人(マイクロ法人)を設立する場合の注意点やデメリットについて紹介します。法人設立の前に、メリットとデメリットの両側面から検討することをおすすめします。
FINANCIAL FIELD編集部

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マイクロ法人とは? 概要とメリットとは

マイクロ法人とは、「マイクロ」という言葉が意味するように小さな法人組織のことを指します。具体的には、従業員を雇わず、代表者1人のみで成り立っている法人のことです。
 
フリーランス時代からの働き方や業務内容は変わらない場合でも、法人設立をすれば、適用される制度が変わってきます。具体的に個人事業と法人では、どのような違いがあるのでしょうか。
 

個人事業から法人にすることで受けられるメリット

個人事業から法人化することで、受けられる社会保障に違いがあります。例えば、加入する健康保険制度が国民健康保険から社会保険(協会けんぽなど)に変わります。
 
そのことで、扶養家族がいる場合には家族の健康保険料の負担がなくなります。国保の場合は、家族分の保険料支払いが必要ですので、その点の支出が減ることになります。
 
年金制度のメリットとして、法人化することで厚生年金の対象になることも挙げられます。老後にもらえる年金が、基礎年金(国民年金部分)に加えて、厚生年金部分も上乗せされます。
 
同様に、遺族補償の面でも法人化した方が充実しています。一定の要件を満たす場合には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方の受給ができます。
 
一方、個人事業で国民年金のみ加入している場合には、要件を満たす場合に遺族基礎年金のみ対象となります。
 

法人化することで期待される節税効果

法人化することで期待される節税効果として、社会保険料控除の適用があります。社会保険料控除として最大55万円が控除されます。マイクロ法人にすることで、給与所得から55万円控除され、その効果を最大限生かすために、法人からの役員報酬を最低ラインに抑える方法もあります。
 
そうすることで、個人の住民税や所得税も負担軽減につながるという効果が期待できます。もちろん、節税効果を期待するあまり、正当な内容を申告しないということは絶対に避けましょう。
 

マイクロ法人のデメリットと注意点

先述のメリットを聞くと、マイクロ法人にした方がよいと考えてしまいがちです。もちろんメリットがあるのは確かですが、デメリットも同時に確認した上で、法人設立を検討しましょう。考えられる主なデメリットには次のものがあります。


・所得によっては法人税額が負担になることがある
・個人事業よりも帳簿付けが煩雑で事務作業が多い
・士業への依頼に費用がかかる(税理士や社労士など)

 

個人事業より法人運営に費用がかかる面が最大のデメリット

個人事業の場合は、赤字になると非課税になるなどの措置があります。法人では赤字でも最低限の法人税を納税する必要があります。具体的には、赤字でも法人住民税の均等割りは発生します。
 
また、法人の経理処理は個人よりも煩雑であるため、自分で行うのはかなりの知識と時間が必要です。そのため、税理士や会計事務所などへ依頼する場合がほとんどです。
 
その場合、顧問料や決算申告料などが適宜発生します。このほか、従業員を雇うことになれば、社会保険労務士などへの依頼も想定されます。士業に対して支払う費用は、決して安くありません。
 
このように、法人化することで個人事業では発生しなかった出費が増えることがあります。そのため、節税効果を期待して法人化しても、全体の収支で考えると個人とそこまで変わらないという場合もありえます。
 

まとめ

個人事業を法人化することで、社会保障が充実し年金制度も手厚くなります。一方、個人事業の運営では発生しなかった出費が発生するなど、法人にすることで運営にお金がかかるというデメリットもあります。
 
会社の事業内容や今後想定される売上額などから総合的に考え、デメリットよりもメリットの効果が期待できるタイミングで法人化を検討することをおすすめします。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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