更新日: 2023.04.14 働き方

【名探偵コナン】「黒の組織」は働き方もブラック!? 仕事内容から労働時間を検証

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【名探偵コナン】「黒の組織」は働き方もブラック!? 仕事内容から労働時間を検証
人気ミステリーアニメ(漫画)の「名探偵コナン」に登場する「黒の組織」(黒ずくめの組織)は、謎に満ちた国際犯罪組織として作中で描かれています。詳細は明らかになってはいないものの、多くのメンバーがチームを組んで、さまざまな悪事に手を染めているようです。
 
では、メンバーが黒の組織に雇用されていると仮定したとき、その働き方は長時間労働を伴い、ブラックといえないでしょうか。仕事内容からその労働時間を検証します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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「黒の組織」の業務内容

「黒の組織」は、米国のFBIやCIAなどの諜報機関が追跡している国際的犯罪組織です。本拠地は不明ですが、東京都内のどこかにあるかのような描写が作品中にあります。
 
出所は不明ですが、強盗、違法取引、契約暗殺(殺し屋)などの多様な犯罪行為によって活動資金を集め、さらに犯罪を繰り返しているとみられます。違法目的のコンピュータプログラムの開発の他、謎の薬品「APTX4869」の実用化などが、「黒の組織」の主要な活動のようです。
 

長時間労働になりやすい組織の特徴

「黒の組織」の業務内容は犯罪行為が中心ですから、それ自体が既にブラックです。たとえ上司との間でパワハラが起きていなくても、スタッフが定時で帰ることができても、存在自体が法的にブラックであることは変わりありません。
 
ただし、ここでは「黒の組織」で長時間労働が起きているかどうかを、ブラックかどうかの検証とします。一般的に長時間労働が発生しやすい組織の特徴は、次の通りです。
 
まず、給与水準が低いことが挙げられます。基本給だけでは満足な生活を送ることができない場合、従業員は「残業代や休日出勤で稼ぐ」という発想になりやすいのです。
 
残業や深夜出勤、休日出勤などの時間外労働を従業員にさせた場合、使用者は通常よりも割増しの賃金を支払わなければならないと、労働基準法で義務づけられているからです。本来は、人材コストを引き上げて時間外労働を減らし、従業員を保護する目的の規定なのですが、そもそも基本給の水準が低ければ、従業員にとって長時間労働へのモチベーションを高める原因になりえます。
 
また、人材が不足していることにより、従業員1人あたりの業務量が増える場合も長時間労働が起きやすいです。
 
各従業員が抱える業務負担が重くなるほど、徐々に業務内容が属人的になる傾向が見られます。つまり、業務を複数人でシェアすることが難しくなるため、さらに各従業員の業務量が増える悪循環に陥るおそれがあるのです。さらに、業務プロセスが非効率になっていて、合理化が遅れている場合も長時間労働の原因になりえます。
 

「黒の組織」の推定労働時間

「黒の組織」は、合法な手段よりもある意味で「効率的」に運営資金を集めていると考えられるため、給与水準は低くないはずです。メンバーによっては豪華な自宅に住んでいる描写もあります。
 
ただし、犯罪組織で人材を集めるのは非常に難しいと考えられます。大っぴらに求人を出すわけにはいかず、つぶしの利かない特殊かつ高度なスキルを求められますし、秘密を他人に漏らすような人物を迎え入れるわけにいかないからです。
 
また、犯罪目的のプログラムや謎の薬品など、今まで無かったものを開発する場合、試行錯誤しながら進むわけですから業務効率化は困難です。しかも犯罪組織なのですから、労働基準法を守るモチベーションも高くはないでしょう。
 
したがって、人材不足と非効率な運営体制などによって、「黒の組織」は長時間労働になりやすい環境といえるでしょう。具体的には、週6日勤務が当たり前で、深夜残業も努力の反映であり美徳とされていた昭和50年代の平均労働時間より長い、年間2400~2500時間と推定します。週5日勤務で計算すると、1日平均2時間強の残業時間です。
 

長時間労働は、犯罪組織であっても正当化されない

長時間労働は従業員の心身に少しずつストレスを蓄積させるため、重病や突然死の原因となってきました。そのことは日本の近現代史が実証しています。
 
「黒の組織」も、主人公の江戸川コナンに敵対する存在として「名探偵コナン」を面白くし続けるという目的達成のためには、今までよりも組織の持続可能性を高めなければなりません。
 
これからは、各メンバーの労働時間に配慮した快適な職場環境を創らなければならない局面に来ているでしょう。
 

出典

少年サンデー 『名探偵コナン』
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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