更新日: 2024.10.10 家計の見直し

「水道料金」は自治体によっては「約8倍」の差が!? 料金を下げる方法はあるの?

「水道料金」は自治体によっては「約8倍」の差が!? 料金を下げる方法はあるの?
水道料金は全国どこへ行ってもそれほど大差がないと思っている人もいるかもしれませんが、実は自治体によって大きく異なります。中には約8倍もの差がある場合もあります。
 
本記事では、水道料金が高い自治体と安い自治体の比較のほか、水道料金が異なる理由、引っ越しによって固定費削減ができる可能性などについて解説します。
山根厚介

執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

水道料金が安い自治体と高い自治体を比較

まずは、水道料金が安い自治体と高い自治体を比較してみましょう。前提として、比較に用いる水道使用量と水道管の口径の条件を決めます。4人家族の平均水道使用量は月23.1立方メートル、水道管の口径は20mmが一般的であるため、今回の比較はこの条件で行います。また、今回の比較で用いた金額は、水道料金と下水道使用料金を合わせたものです。
 
まず、水道料金が安い自治体として兵庫県赤穂市を取り上げます。赤穂市において口径20mm、1ヶ月に23.1立方メートルの水道を使用した場合の料金は2ヶ月分で3696円、1ヶ月分だと1848円です。
 
一方で、水道料金が高い自治体はどのくらいになるのでしょうか。北海道夕張市における同条件の水道料金は1ヶ月分で1万4651円です。赤穂市と夕張市の1ヶ月分の水道料金を比べると、実に8倍弱の差があります。
 

なぜこのように料金に差があるの?

なぜ、水道事業を運営する水道事業体(自治体)によってこのような料金の差が生じるのでしょうか。水道は自治体によって運営されていますが、独立採算のため税金は使われていません。利用者からの料金によって運営されているため、自治体によって大きく料金が異なるのです。
 
水道料金は、地理的要因や社会的要因などによって決まります。地理的要因とは、給水区域の広さや水源の場所、種類などです。例えば、水源が遠ければそれだけ水道管が長くなり維持費がかかります。また、水源が地下水などで水質が良好であれば浄水コストがかかりませんが、河川やダムを利用している場合は浄水費用がかかるでしょう。
 
社会的要因とは人口密度や産業の集積による違いです。人口密度が高ければ、効率良く給水できますが、人口密度が低く給水区域が広い場合は多くの水道管が必要になります。また、工場など大口の水道利用者がいれば、安定した経営が可能でしょう。
 
先ほど水道料金が安い自治体として挙げた赤穂市は、水源が近いことや水質が良好であること、特定事業者など大口水道利用者がいることなどで、安い料金を維持できているのです。
 

水道料金を下げる方法はある?

水道料金は中長期的な視点で料金が定められます。多くの水道施設では老朽化や耐震化が問題になっていることや、日本は今後人口が減少することが予想されるため、値下げの可能性は低いでしょう。
 
水道料金を安くしようと思った場合は、水道料金が安い自治体へ引っ越すことが確実な方法です。隣りの自治体に引っ越しをするだけでも料金が大きく変わるケースもあります。
 
例えば、広島県安芸郡熊野町の水道料金は口径20mm、23.1立方メートルで1ヶ月9504円ですが、隣接する広島市では2199円と1/4以下になり、引っ越すことで毎月の固定費の削減に大きく貢献してくれます。
 
近くの自治体の水道料金を調べてみて大きく料金が異なるようであれば、通勤などに影響しないかなど考慮すべき事情はあるでしょうが、その自治体への引っ越しを積極的に検討してみるメリットはあるかもしれません。
 
また、水道料金は口径が小さいほど料金が安くなります。20mmよりも小さい口径として13mmがあり、口径を13mmに替えれば料金が安くなる場合もあります。ただし、水道料金の計算は自治体によって異なり、料金にほとんど影響しないこともあるため注意が必要です。また口径が小さいと、水を同時に使った場合に水の勢いが弱くなる可能性があります。
 

まとめ

水道料金は自治体によって異なり、中には約8倍もの差が生じることもあります。隣り合う自治体であっても料金が大きく異なるケースもあるため、引っ越しによって毎月の固定費が削減できる可能性があります。一度お住まいの自治体と周辺自治体の水道料金を比べてみてはいかがでしょうか。
 

出典

東京都水道局 よくある質問 家庭の平均使用量はどのくらいですか。

赤穂市 水道料金等早見表(2ヶ月分・消費税率10%)

夕張市 夕張市上・下水道使用料金表

熊野町 上下水道料金早見表

広島市 家事用 水道料金・下水道使用料早見表 1 [2ヶ月]

 
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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