更新日: 2023.04.28 働き方

【残業代が安くなる?】残業40時間でも基本給が低いと損をする理由を解説

【残業代が安くなる?】残業40時間でも基本給が低いと損をする理由を解説
残業時間が月に40時間であっても、基本給が低いと受け取れる残業代が低くなります。基本給は家族手当や扶養手当を含めずに計算するため、手当を多くもらっていても残業代に加えて計算できないと定められています。ここでは理由を割増賃金に関して定められた法律と、残業代の計算式、計算例からみていきましょう。
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『残業代』の「割増賃金」

残業代には法律で定められた割増賃金が、以下の割合によって決められています。
 

●法定労働時間が1日8時間以上もしくは週に40時間以上も労働した場合
●時間外労働の制限時間が1ヶ月45時間もしくは1年360時間を超えた場合
●深夜手当は22時から5時までの間に勤務した場合

 
以上に当てはまる場合は、割増割合が25%以上になります。8時間以上の労働や、時間外労働の制限時間が1ヶ月45時間を超えた場合などいずれかに当てはまる場合は、25%以上の割増賃金を受け取ることができます。
 

・時間外労働が1ヶ月で60時間を超えた場合

時間外労働が1ヶ月で60時間を超えると割増賃金は50%以上と定められています。2023年3月以前までは大企業に限り1ヶ月で60時間を超えると50%以上と定められていましたが、2023年4月から中小企業でも適用されるようになりました。自身が時間外労働した時間を記録しておき、漏れなく受け取りましょう。
 

残業代の計算方法

残業代は、基本給が低いともらえる割増賃金も低くなります。残業代の計算方法は、以下に当てはめて計算できます。はじめに1時間当たりの賃金を計算していきましょう。
 

年間の所定労働日数×1 日の所定労働時間÷12=1ヶ月の平均所定労働時間
月給÷1ヶ月の平均所定労働時間=1 時間当たりの賃金額

 
割増賃金の計算方法は、以下で計算していきます。
 

1時間当たりの賃金額 × 時間外労働、休日労働もしくは深夜労働を行った時間数× 割増率

 
月給は以下の手当を含まずに計算します。
 

・家族手当
・扶養手当
・子女教育手当
・通勤手当
・別居手当
・単身赴任手当
・住宅手当
・結婚手当
・出産手当

 
家族分や交通費・距離、家賃に比例して支給されるお金が一律支給されるときには月給として計算します。その場合は残業代を計算する際に月給に足してください。
 

残業代の計算例

それでは実際に残業代を以下の設定で計算してみましょう。
 

・基本給20万円
・年間休日日数101日
・通勤手当2万円
・家族手当3万円
・1日の労働時間は8時間
・月に40時間の時間外労働
・深夜労働はなし

 

(365-101)×8時間÷12=176時間
25万円÷176時間=1420.45円
1420.45 円× 480時間×1.25=85万2270円

 
以上の条件で計算した場合の年間の残業代は、85万2270円でした。基本給が残業代にも影響することがわかりました。残業代を計算する際には以上の計算を参考にしてみてください。
 

まとめ

残業代は1日8時間以上、時間外労働の制限時間が1ヶ月45時間といった5項目のいずれかに該当する場合に25%以上の残業手当を受け取れます。時間外労働が1ヶ月で60時間を超えた場合だと、50%以上の残業手当を受け取れると定められています。
 
残業時間は年間の労働日数や時間から1時間当たりの賃金額の計算を行い、時間外労働時間と割増率をかけて導き出せます。月に40時間の残業をしたとしても、基本給が低いと残業代も低くなってしまいます。
 

出典

厚生労働省 東京労働局(平成30年9月)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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