更新日: 2024.10.10 働き方
1日の残業「平均2時間」は多い?「3割」の企業は残業がないって本当?
法律によって残業できる時間の上限は決められていますが、自分の職場は他と比べて多いのか少ないのか気になる人もいるかもしれません。そこで今回は、平均的な残業時間や多いと感じたときの対策などを紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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平均的な残業時間とは?
厚生労働省がまとめた「毎月勤労統計調査」によると、令和4年(2022年)の所定外労働時間は、年間で110時間です。単純に計算すると、1ヶ月あたり9時間になります。例えば、週休2日制の会社で月に20~22日程度労働する場合、1日の残業時間は0.41~0.45時間です。
一般的な会社であれば、大型連休や夏季休暇、年末年始休暇などまとまった休暇があります。
これらの休暇を差し引いて年間の労働日数が240日だった場合でも、1日あたりの平均残業時間は0.46時間です。この調査をもとに考えれば1日30分程度の残業が全国の平均なので、平均2時間の残業は多いと判断できます。
平均残業時間が2時間の人の割合は?
総務省の「労働力調査」によると、週の労働時間が35時間未満で残業がないと考えられる労働者の数は、2022年では全体の3割ほどです。週35時間以上60時間未満の労働者となると一気に増え、全体の6割を超えます。残業が平均2時間の人は、週35時間以上60時間未満の労働者に含まれます。
全国平均と比べれば2時間の残業は多いですが、残業時間ごとの割合で見れば特に珍しいとはいえないでしょう。ただし、転職を考える理由の調査を見ると「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」は「賃金の条件がよい会社にかわりたい」に次いで多く、2番目となっています。
残業が多いと感じたときの対策
労働基準法では、法定外労働時間(残業時間)の上限を月45時間、年360時間としています。これを週休2日制の場合で計算すると、1日当たりに残業できる上限は2.04~2.25時間となるため、平均2時間であれば違法にはなりません。
それでも、ほぼ毎日残業が続いてキツイと感じるときは、勤務先に相談してみるのも前向きな対策です。育児や介護をしている人なら「短時間勤務制度」や「所定外労働の制限」などを使うことができます。
これらは、1日の労働時間を短縮したり残業を免除してもらえたりする制度で、育児・介護休業法の中に定められている労働者の権利です。労使協定を結んでいるなど条件によっては対象になりませんが、育児や介護で残業が厳しいなら相談してみるのもいいでしょう。
育児・介護休業法の適用条件に該当しないときや残業時間が改善されないような場合は、転職を検討するのも一つの手段です。
平均2時間の残業は全国平均より多め
厚生労働省の調査では、全国の平均残業時間は30分ほどです。そのため、平均2時間の残業は多めであるといえます。
ただ、実際には残業がない職場の割合は3割ほどです。労働基準法の観点から見ても、2時間程度の残業なら特に問題はありません。しかし、家事都合などで残業が難しいときは、勤務先に相談するなどの対策をとるのもいいでしょう。
出典
厚生労働省 時間外労働の上限規制わかりやすい解説
厚生労働省 毎月勤労統計調査令和4年分結果確報
総務省統計局 労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果
厚生労働省 育児・介護法のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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