50歳から「1000万円」を貯める!「減らす」「増やす」「見直す」ポイントをFPが解説
配信日: 2023.05.20 更新日: 2024.10.10
具体的な対策は一人ひとりで違いますが、お金を貯める方法は共通しています。
執筆者:宿輪德幸(しゅくわ のりゆき)
CFP(R)認定者、行政書士
宅地建物取引士試験合格者、損害保険代理店特級資格、自動車整備士3級
相続専門の行政書士、FP事務所です。書類の作成だけでなく、FPの知識を生かしトータルなアドバイスをご提供。特に資産活用、相続トラブル予防のため積極的に「民事信託(家族信託)」を取り扱い、長崎県では先駆的存在となっている。
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家計のキャッシュフロー表で状況を把握
まずは家計の現状を把握することが必要です。今と同じ生活を続けると、将来の貯蓄額はどうなるのかを目に見える形にします。
具体的には、家計のキャッシュフロー表を作成するといいでしょう。今後の収入・支出・貯蓄残高の予測が数字として明確になります。収支と貯蓄残高をグラフにすると、さらに分かりやすく確認できます。
20年程度のスパンで考えると、子どもの教育費や住宅ローン、退職金、車の買い替えなど、大きな金額の動きが予測できますが、キャッシュフロー表にすることで気づくこともあるでしょう。
簡単なキャッシュフロー表は日本FP協会のホームページからダウンロードできますので、自身で一度作ってみてください。キャッシュフロー表で今後の収支の内容を明確にしてから、目標とする貯蓄額を設定していきます。
お金を貯める方法は支出を減らすか、収入を増やすか
収入と支出の差が貯蓄に回せる金額になります。前述したキャッシュフロー表から目標の年間貯蓄額を決めることができたら、次はそれを達成するために支出を減らすか、収入を増やすことを考えます。
例えば、50歳から65歳までの15年間で1000万円の貯蓄額を達成するために、現状より年間貯蓄額を50万円増やす必要がある場合、以下のような対策が挙げられます。
(1)年間の支出を50万円減らす
(2)年間の収入を50万円増やす
(3)年間の支出を25万円減らし、収入を25万円増やす
支出を減らす
支出を減らすといっても、生活水準を大きく下げると長続きしないこともあるので、無理のない範囲で考えましょう。
例えば、携帯電話を格安SIMに切り替えると、月額で数千円から1万円程度の支出を減らせることがあります。月5000円の減額ができた場合、15年では90万円の支出減となります。そのほかにも、お昼を外食からお弁当にする、使っていないサブスクを解約するなど、小さな節約も長く続けると大きな金額になります。
家計では自動車関連の費用も大きな支出です。購入や買い替えの費用に加えて、税金やガソリン代、車検代などの維持費がかかるため、公共交通機関が発達している都市部に住んでいるなら、必要なときにレンタカーやカーシェアリングを利用する方が経済的な場合もあります。
また、支出を減らすためには生命保険などの見直しも大切です。保険は万が一のことが起こったときに、自分や家族が生活に困らないように加入するものですが、家族構成など状況が変化すれば必要な保障や保険金の額も変わります。
必要な保険金額は、自分が病気・けがで働けなくなったときや死亡した際に、家族が生活するために必要となる金額です。
しかし、高額療養費制度や傷病手当金、障害年金、遺族年金といった万が一のときに使える公的制度の保障を無視した保険会社の勧誘で、高額な保険に加入したまま、一度も見直すことなく保険料を払い続けている人も多くいます。
収入を増やす
収入を増やして貯蓄に回せる金額を多くするには、支出を減らすよりも積極的な対策が必要になります。選択肢としては転職もありますが、50歳からは年齢的なリスクも大きくなるので、まずは以下のような方法から考えてみてください。
・副業を始めて収入を増やす
・配偶者が働いていない場合はパート勤務などをすすめる。また短時間のパート勤務をしている場合は就労する時間を増やす
最近はリモートでできる仕事も増えてきましたので、自宅で行える副業や短時間のみの仕事を探すことも可能です。
なお、投資などの資産運用も一つの手段ですが、未経験の人が50歳から始めるのはリスクも大きいため、この場合はiDeCoやつみたてNISAなど、比較的安全で税制優遇も受けられる制度の利用が現実的な選択肢となります。
50歳から1000万円を貯めるにはリスクを抑えて無理のない方法で
50歳から貯めるお金は老後資金という意味合いが強くなり、若いころと違って失敗した場合にはやり直すための時間が限られますので、リスクを抑えながら無理なく継続できる方法で目標額の達成を目指してください。
また、想定外の支出や収入も考えられますので、お金を貯める方法については定期的な見直しも忘れないようにしましょう。
参考
日本FP協会 便利ツールで家計をチェック
執筆者:宿輪德幸
CFP(R)認定者、行政書士