更新日: 2024.10.10 働き方

【実録】記事代「10万円」の支払い拒否!? 筆者がクライアントとの交渉のために行ったこと

【実録】記事代「10万円」の支払い拒否!? 筆者がクライアントとの交渉のために行ったこと
筆者はフリーライターとして活動していますが、「契約通りクライアントから報酬が支払われなかった」という同業者の話を時々聞きます。フリーランスは立場が弱くなりやすく、そういったトラブルに巻き込まれてしまうことがあるのは否定できません。
 
本記事では、筆者が報酬の支払いを拒まれたケースと、その際の対応について解説します。

約10万円の報酬支払いを突然拒否される

幸いなことに筆者自身はクライアントに恵まれているようで、これまでほとんどクライアントとトラブルになったことはありません。ただし、たった1回を除いてです。
 
ある観光情報サイトの立ち上げに向け、筆者を含め十数名のライターが集められ、記事の執筆をしていた数年前の話です。観光系のWebサイトは大手も含めライバルが多いので、それらライバルに勝つためには、記事の品質はもとより記事の量も重要になります。
 
クライアントには、「1本でも多く記事を書いてほしい」と催促されていました。とにかく記事を書けるだけ書いて、月末にその月に執筆した記事分の請求をするというスタイルだったことを覚えています。筆者は毎月20~30本の記事を執筆し、月10~20万円前後の報酬を受け取っていました。
 
ところが、突然クライアントから「もう記事はいらない。今月はライター1人につき10本分までしか報酬を支払えない」と通告されたのです。筆者はその時点で、すでに20本以上の記事を執筆していました。仮に10本分しか報酬を支払われないと、10本以上が無駄になり約10万円の報酬が受け取れない計算になります。
 
もちろん筆者は、クライアントにクレームを入れました。しかしクライアントは「特別扱いはできない」の一点張りで、電話や対面で交渉したいと言っても拒否される始末でした。最終的にはSlackというチャットサービスでしか、連絡が取れない状態になりました。
 

弁護士に相談し、少額訴訟を提案される

しびれを切らした筆者は、今回の件について弁護士に相談することにします。具体的には、東京弁護士会が運営している法律相談センターという、低価格な法律相談所を利用したのです。弁護士に事情を話し、証拠としてSlackなどの履歴も見てもらいました。
 
その結果、弁護士から「間違いなくクライアントが悪い。少額訴訟を起こせば報酬を回収できるだろう」とアドバイスをもらいます。少額訴訟とは60万円以下の金銭支払いを求める場合に限り利用可能な、シンプルな訴訟の手続きです。少額訴訟では、原則として1回の口頭弁論期日で審理され、その日中に判決が出されます。
 

弁護士に相談した内容をクライアントに伝えた結果

弁護士に相談したあと、筆者はSlackでその結果をクライアントに伝えます。要求通り報酬を支払わないと少額訴訟を起こすと伝えたところ、クライアントはすぐに報酬支払いに応じました。
 
あとから考えると、最低限Slackでの連絡は取れて、結果的に報酬支払いに応じてくれたので、そこまで悪質なクライアントではなかったと思います。本当に悪質なクライアントは、報酬を支払わない上に、連絡も全くとれなくなります。
 
いずれにしろ筆者にとっては、フリーランスとして活動する上で、こんなリスクもあるのだなと学べたよい機会にはなりました。現在フリーランスで報酬の支払いに悩んでいる方は、一度弁護士などの専門機関に相談してみることをおすすめします。
 

出典

最高裁判所 少額訴訟

 
執筆者:小泉健太郎
FP2級

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