更新日: 2023.06.29 その他家計

人生の三大費用は「おひとりさま」ならどのくらい削減できるの?

人生の三大費用は「おひとりさま」ならどのくらい削減できるの?
おひとりさまは、家族と同居するのに比べて生活費を削減できるため「生涯独身で好きなことをして暮らしたい」と考える方も多いでしょう。今回は、人生の三大費用におけるおひとりさまの削減効果について解説します。削減できる金額やおひとりさまの注意点についても解説しているので、ぜひ最後までお読みください。
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三大費用について

2人以上世帯とおひとりさま世帯で比較した場合、人生の三大費用(教育費、住宅費、老後生活費)が大きく異なります。人生の三大費用におけるおひとりさまの削減効果について解説します。
 

子育て・教育費用

子育て・教育費用に関して、文部科学省が全国約5万2000人を対象に実施した「令和3年度子供の学習費調査(※1)」によると、幼稚園から高校まですべて公立で進学した場合で平均約156万円の学習費がかかることが分かりました。
 
さらに、文部科学省の「2021年度学生納付金調査結果(※2)」によると、国公立大学の授業料平均値は53万6363円となっています。入学資金などの費用も合わせると、4年間で約250万円必要です。
 
以上のデータから、幼稚園から大学まで進学した場合、公立であっても平均で約400万円以上の教育費が必要だと言えるでしょう。一方、おひとりさまの場合、教育費は発生しません。
 

住宅費用

お子さんがいるご家庭の場合、狭いアパートでは暮らせずに家を建てる人も多いでしょう。国土交通省が実施した「令和4年度 住宅市場動向調査報告書(※3)」によると、新築住宅の建築資金は全国平均で3866万円でした。
 
一方、総務省統計局が実施した「家計調査 2022年(令和4年)平均(※4)」によると、単身世帯の平均住居費は月額2万3300円です。住居の種類によって金額には個人差があると思いますが、仮に2万3300円の家賃を50年支払ったとしても1398万円なので、おひとりさまだと約2400万円の住居費を節約できる可能性があると言えるでしょう。
 

老後費用

老後費用に関しても、2人以上世帯とおひとりさま世帯で大きく異なります。総務省統計局「家計調査年報(2021年)(※5)」によると、65歳以上の夫婦高齢者無職世帯における消費支出は22万4436円でした。
 
一方で、65歳以上の高齢単身無職世帯における消費支出は13万2476円です。仮に65歳から85歳までの期間で比較してみると、おひとりさまのほうが約2200万円も安く生活できることになります。
 

おひとりさまの削減効果

人生の三大支出におけるおひとりさまの削減効果が高いことを見てきたので、全体としてどれぐらいの削減効果があるのかを見ていきましょう。また、メリットだけではなく、おひとりさまの注意点についても解説します。
 

おひとりさまは約5000万円削減できる

人生の三大費用について、2人以上世帯と比較した金額をまとめると以下のとおりです。
 

【おひとりさまの削減効果】

子育て・教育費用……約400万円
住宅費用……約2400万円
老後費用……約2200万円

 
上記の削減額を合計すると、おひとりさまは2人以上世帯とくらべて、約5000万円の削減効果が期待できるでしょう。ただし、これらの数値は平均値で比較したものなので、あくまで目安としてお考えください。
 

おひとりさまの注意点

一方、おひとりさまの削減効果には注意点があります。おひとりさまには約5000万円の削減効果がありますが、この数値には収入面での計算が入っていません。仮に、家計を共にするパートナーが収入を得ていた場合、支出を収入が大幅に上回れば生活は楽になります。すべての条件において「おひとりさまは生活が楽になる」とは言えないことを理解しておきましょう。
 

まとめ

今回は、おひとりさまの削減効果について解説しました。2人以上世帯とおひとりさま世帯において人生の三大費用で比較した場合、おひとりさま世帯のほうが約5000万円の削減効果が見込めます。しかし、実際に生活していくには、削減効果だけでなく収入面も考慮しなければいけません。さまざまな条件も考慮したうえでライフプランを考えましょう。
 

出典

(※1)文部科学省 令和3年度子供の学習費調査

(※2)文部科学省 2021年度学生納付金調査結果

(※3)国土交通省 令和4年度 住宅市場動向調査報告書

(※4)総務省統計局 家計調査 2022年(令和4年)平均 住居の所有関係別「単身世帯」

(※5)総務省統計局 II 総世帯及び単身世帯の家計収支

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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