更新日: 2023.07.10 貯金

「絶望的に貯金ができない40代」手取り月々35万円で3人家族の場合、いくら貯金に回せる?

執筆者 : 柘植輝

「絶望的に貯金ができない40代」手取り月々35万円で3人家族の場合、いくら貯金に回せる?
40代ともなると、一般的には子どもが成長して、教育費などのお金がかかりだしてくる年代です。それ故に、手取りが月に35万円あっても貯金ができず、絶望している世帯も少なくありません。
 
そこで、40代で手取り35万円の3人家族の場合、どのようにすれば貯金に回すお金を増やすことができるか考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

3人家族で手取り35万円あっても貯金できないのは、おかしいことではない

一人暮らしや夫婦2人の生活であれば「手取りが35万円あるのに貯金できない」という状態は、やや難ありかもしれません。しかし、夫婦に加えて子どものいる3人世帯であれば、話は別です。40代ともなると、子どもが大学生や高校生などとお金のかかる時期であってもおかしくないからです。
 
総務省の「家計調査 家計収支編」によると、世帯主が60歳未満の3人世帯における平均的な消費支出額は、32万3511円となっています。ここだけ見ると、手取りが35万円あれば、貯金も不可能ではないように思えるかもしれません。
 
しかし、子育て中は突発的な支出が生じることも多いです。そのため、家計は毎月ギリギリということも珍しくありません。今まさに手取り35万円で貯金ができなくとも、過度に悩む必要はないのです。
 

世帯主が40代の一般的な3人家族は、どのような生活になっている?

とはいえ、貯金を全くしなくても大丈夫というわけではありません。子どもの今後の教育費や自身の老後、人によっては親の介護に関するお金も必要になるかもしれません。そう考えると、40代のうちにある程度の貯金をしないわけにはいかないでしょう。
 
参考までに「家計調査 家計収支編」のデータを引用すると、一般的な3人世帯(世帯主の平均年齢を46.5歳とする)の支出は、下記のような具合となります。
 
【表】

食料 7万6309円
住居 2万1810円
光熱・水道 2万3707円
家具・家事用品 1万2454円
被服及び履物 1万1283円
保健医療 1万3234円
交通・通信 5万4087円
教育 1万7830円
教養娯楽 2万8405円
その他の消費支出(小遣い・雑費) 6万4392円
貯金 2万6489円
合計 35万円

※e-Stat 家計調査 家計収支編 第3-1表「世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出;二人以上の世帯のうち勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)」より筆者作成
 
手取り35万円の3人家族の場合、平均して月におよそ2万6000円を貯金できることが分かりました。貯金を十分にできていない世帯は、まずこの金額を目標にしつつ、最低でも毎月約1万円、頑張っても約2万円を貯金していきましょう。
 
もちろん工夫次第でそれ以上に貯金をすることも可能ではありますが、いきなり貯金額を増やすために無理をしても長く続かず、家庭がうまく回らなくなってしまう可能性もあります。それを抜きにしても、子育てにお金がかかる時期であれば、貯金よりもそちらを優先すべき場合もあります。
 
思うように貯金ができていない状況であれば、まずは毎月1万円からでも、無理のない金額を貯金することを心掛けていきましょう。
 

貯金に回すお金を捻出するにはどうしたらいい?

貯金に回すお金を捻出するには、自分たちがどういった部分にお金をかけているか、まず洗い出すところから始めます。
 
先の統計データを基準値とし、それよりも高くなっている支出項目を削減候補として、その分を貯金に回しましょう。その際には金額の小さい項目よりも、金額の大きな支出項目の方が、削りやすい場合が多いです。
 
例えば、ご家庭の医療費が月に1万円、食費が月に9万円かかっているとしましょう。月1万円しかかかっていない医療費をこれ以上削ることは困難です。また医療費を削ると、健康面に深刻な影響を及ぼす場合もあります。
 
一方で、食費は毎月9万円と金額が大きく、削減しやすい項目です。統計の基準値(約7万7000円)に近づけられるよう、まずは1万円を目標に削減し、その分を貯金に回しましょう。
 
ほかにも、次のように日々の生活に少し工夫を加えるだけで、ある程度の貯金は可能になります。

・電力やガス、スマートフォン、インターネットなど固定費は都度プランを見直し、契約先を(新規事業者も含めて)一番お得な業者に変更する
・買い物の際は、消費できる分だけを購入する
・スーパーやドラッグストアなどを利用し、コンビニなど割高な店舗は利用しない
・自覚できている無駄な支出があれば、現状の半分を目標として、節約する
・最低限貯金したいお金は、給料日にすぐ貯金用口座に移動させる

 

貯金は無理のない範囲で行うこと!

統計上、40代で手取り35万円の3人家族であれば、毎月2万6000円近く貯金することが可能です。
 
しかし、家計の支出は家族によってさまざまです。子どもの年齢や教育方針、家族の健康状態などによっては貯金が難しい場合もあります。貯金ができないからと過度に節制を行うと、家庭にほころびが生じてしまう恐れもあります。
 
貯金は無理のない範囲で行うのが基本です。まずは先述した統計上のデータと比較しながら、最低でも月に1万円程度を目標に、少しずつでも貯金ができるよう、家計の見直しを進めてみてください。
 

出典

e-Stat 家計調査 家計収支編 第3-1表 世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出;二人以上の世帯のうち勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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