更新日: 2024.10.10 その他家計
東京23区なら「マイカー」より「タクシー」のほうが安い!? 車の維持費をもとにシミュレーションしてみた!
車は生活用品として捉えている人も多いかもしれませんが、保有しているだけで維持費がかかります。もしも車の代わりにタクシーを利用したら、金銭的に車を保有する場合と比較してどうなのでしょうか?
本記事では、マイカーとタクシーを比較し、お金がかかるのはどちらかについて解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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車の維持費は年間30万円以上
車は持っているだけでさまざまなお金が必要です。今回は乗用車の維持費について見ていきましょう。
まず、自動車税は年間で基本的には最低でも2万9500円、自賠責保険料は12ヶ月契約では1万1530円かかります。2年に1度の車検はどこで受けるかで金額は異なりますが、おおよそ10万円程度が相場ですので、1年当たりでは約5万円です。
また、車を保有している場合はほとんどの人が任意保険に加入します。任意保険の保険料は、保険の内容や保険会社、年齢、事故歴などによって変わります。自動車保険の見積もりサービスを営むインズウェブ株式会社によると、40歳代で車両保険を付けた人の保険料の平均は年間で5万4464円です。
自動車税、保険の他にも、車を保有しているとメンテナンス費用が必要です。エンジンオイルやタイヤなど、安全のためにも定期的な交換が必要です。エンジンオイルが3000円で年2回交換、タイヤは1本1万円で4本4万円を4年に1回交換とします。そうすると、エンジンオイルとタイヤで、年間1万6000円がメンテナンス代としてかかります。
車を保有していると、駐車場代も必要です。地方と都心で駐車場代は異なりますが、都心では少なくとも月に1万円程度はかかりますので、年間では安めに見積もっても12万円かかります。
ここまで見てきた維持費をトータルすると、合計で28万1494円です。
さらに、車を運転すると、走った距離の分のガソリン代も必要です。ガソリン価格は店舗や給油する日によって変わりますが、2023年7月18日時点の関東地域は、おおよそ1リットル当たり170円程度です。
国土交通省によると、ガソリン乗用車の平均燃費はおおよそ1リットル当たり22kmです。この結果、22km走るのに、170円かかると計算できます。つまり、1km当たりで必要なガソリン代は約8円です。
仮に、仕事の日は片道10kmで往復20km、休日は20km運転し、仕事が年間240日、休日が125日だとすると、年間での総走行距離は7300kmです。ガソリン代は1kmで8円ですので、この場合は5万8400円かかります。
よって、先の維持費トータルと合わせると、33万9894円が、平日に片道10km、休日に20km運転した場合の車の維持費です。
自家用車に必要な維持費をタクシー代に換算してみる
自家用車の維持費である33万9894円を1月当たりに換算すると、2万8325円です。東京23区の場合、タクシーの初乗運賃は約1kmまで500円、加算運賃は255m増すごとに100円かかります。そのため、加算運賃のみで計算すると、1月当たりでのタクシー移動が283km以内であれば、タクシー代よりもマイカーの方が安いと計算できます。
先ほどの年間7300kmのマイカー移動を全てタクシーでまかなうと、さすがにタクシー代の方が高くなってしまいますが、電車やバスを併用しつつ、タクシーの距離を調整すれば、そこまで高額とはならないのではないでしょうか。
また、今回は車の購入費用を考慮していません。車は中古でも数十万円、新車では100~200万円以上必要な場合も多いです。車の購入代金を考慮すると、車を持たずにタクシーを活用した方がトータルのコストが少なくなる場合も考えられるでしょう。
ただし、地方で通勤距離が長く、バスや電車も利用できない場合などは、比べるまでもなくマイカーの方が安くなります。
費用も含めたメリットを考慮しつつ選択しよう
車は維持費や車自体の価格が高いため、場合によっては車を保有せず、タクシーを利用した方がコスト面でのメリットはあります。とはいえ、自分の車を持つことでいつでも自由に出掛けられたり、車を自分の好きなようにカスタマイズできたりといったメリットもあります。
車の利用方法やライフスタイルを考慮し、マイカーを持つかどうかを検討してみましょう。
出典
保険の窓口インズウェブ! 【年齢代別】自動車保険料の平均・相場(年額・月額)はいくら?
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査
一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会 タクシー運賃料金表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー