残業代の計算方法を「簡単に」教えて!残業の種類によって「割増率」は異なるの?
配信日: 2023.07.27 更新日: 2024.10.10
残業にはいくつかの種類があり、それぞれ割増率が異なります。そこで今回は、残業代(割増賃金)を計算する方法を解説します。
「正しく残業代が支払われているのか心配」とお悩みの方は、自分で計算して、チェックしてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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残業代(割増賃金)の計算方法
残業代(割増賃金)は、以下の計算式で算出します。
1時間あたりの賃金×割増率×残業時間
まずは、1時間あたりの賃金を計算しましょう。月給制の場合、以下の計算式を用います。
1年間の所定出勤日数×1日の所定労働時間÷12=1ヶ月の平均所定労働時間
月給÷1ヶ月の所定労働時間=1時間あたりの賃金
例として、年間所定休日が120日、1日の所定労働時間が8時間、月給25万円の場合で、1時間あたりの賃金を求めてみます。
(365-120)×8÷12=163.3333……
250000÷163=1533.7
1時間あたりの賃金は、四捨五入して1534円となりました。
3種類の割増賃金とそれぞれの割増率
残業代(割増賃金)には3種類あり、それぞれ割増率が決められています。種類ごとの割増率は、表1の通りです。
表1
ちなみに、残業には「法定時間内残業(会社の就業規則で定められた所定労働時間は超えたが、法定労働時間内の残業)」と「法定時間外残業(労働基準法で定められた法定労働時間を超えた残業)」の2種類があります。表1の割増賃金が適用されるのは、後者の「法定時間外残業」の場合です。
例として、所定労働時間が9~17時の会社で、20時まで働いたとき(休憩1時間)の残業代を計算してみましょう。
所定労働時間は8時間であるため、18時以降が法定時間外残業となります。20時まで働いたとすると、この日の法定時間外残業は2時間になります。先ほど計算した、1時間あたりの賃金(1534円)を使って計算してみます。
1534×2×1.25=3835
この日の残業代(法定時間外残業分のみ)は、3835円です。なお、法定時間内残業に対する賃金は、会社の規程によって異なります。
残業代の計算方法を身に付けて自分でチェックしてみよう
法定労働時間を超えた残業には、割増率を乗じた残業代(割増賃金)が発生します。なお、労働時間の端数切り捨てはできないため、1分単位で、正しく申請する必要があります。
「残業代が正しく支払われているのか不安」という人は、計算方法を身に付けて、自分で合っているかチェックしてみましょう。
出典
東京労働局「しっかりマスター 労働基準法―割増賃金編―」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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