更新日: 2024.10.10 働き方
頻尿で仕事中何度もトイレに行ってしまう! その分「給与を引く」と言われたらどうすればいい?
そこで、本記事では頻尿で仕事中に何度もトイレに行かざるを得ない人を例に挙げて、上司から「あまり多いと給与を引くことになる可能性もあるよ」と言われた場合、どうすればいいのかを解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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トイレの回数を制限することは許されるのか?
会社は企業秩序を守るために、会社独自のルールを設けて、雇用契約書や就業規則に定めています。会社に雇用されている労働者は、雇用契約書や就業規則に記載されている社内のルールに従う義務があります。もし上司や会社からの業務命令を無視したり、企業秩序を乱したりしたら処分されてしまう可能性があるでしょう。
とはいえ、どのようなルールでも従わなくてはならないということはありません。たとえ雇用契約書や就業規則に記載されていたとしても、非常識なルールは無効です。というのも、民法90条(公序良俗)によって「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」と定められているからです。
民法90条(公序良俗)に違反する社内ルールとしては、トイレの回数を制限することも当てはまります。例に挙げた「頻尿」はその人の体質です。いくら労働時間だからといって、生理現象であるトイレに行くという行為を会社は止めることはできないのです。
また、厚生労働省では「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を策定しています。
それによると、1日に4時間以上パソコンなどの作業を行う人に対して、「一連続作業時間が1時間を超えない」「作業途中、1~2回の小休止」「次の連続作業までに10~15分の作業休止」といったことが定められています。ということは、1時間に1~2回程度は自席を離れてトイレに行っても問題ないということになるでしょう。
給与から引くことはできるのか?
トイレ休憩を取ることは、労働者としての正当な権利です。「その分、給与から引くから」などと脅して、トイレに行かせないのはパワハラに当たります。もちろん、労働者には会社や上司の業務命令に従う義務があります。
しかし、会社側の不合理な命令にまで従う必要はないのです。トイレ休憩を利用したパワハラには、慰謝料を請求することが可能です。トイレに行きたくなることは生理現象のため、トイレに行っても問題ないことを上司に伝えるようにしましょう。
また、例に挙げたように実際にトイレに行った時間分、給与をカットすることはできません。もし会社に不当に給与をカットされたら、労働基準監督署または弁護士に相談することをおすすめします。そして、会社に未払い分の給与を請求するようにしましょう。
給与からトイレに行った時間分を引くのは違法
トイレに行きたくなることは生理現象です。いくら労働時間だからといって、労働者がトイレに行くことを会社が止めることはできません。また、トイレに行った回数分、給与から引くことも違法です。トイレに行かせないのはパワハラに当たり、慰謝料の請求対象となります。会社に不当に給与をカットされたら、労働基準監督署または弁護士に相談するようにしましょう。
出典
厚生労働省 「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を策定しました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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