更新日: 2023.08.03 貯金

毎月5万円ずつ「貯金」がしたい! データから考える最適の年収ラインとは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

毎月5万円ずつ「貯金」がしたい! データから考える最適の年収ラインとは?
老後などに向けて「貯金」はしたいけど、今の生活に支障をきたさないよう無理なくしたいものです。では、年収に対し適切な貯金の額とはいくらなのでしょうか。本記事では、総務省の家計調査データをもとに、月5万円を貯金するために必要な年収について解説します。
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年収ごとの消費支出

総務省の家計調査では、各家庭の年収を年間収入五分位階級に分類して調査しています。このデータを活用すれば、各年収階級に応じた毎月の収支を比較することも可能です。毎月の収支を比較することで、毎月貯金に回せる余剰資金を計算できるでしょう。以下で、年収階級ごとの収入と支出、余剰資金について解説します。
 

年収五分位階級ごとの平均収支

総務省の「2022年 家計調査家計収支編」(用途分類:年間収入【万円】)によると、各階級の年間収入平均値は以下の結果となりました。
 

【2022年年収五分位階級別の年間収入】

年収五分位階級 I:174万円
年収五分位階級 II:305万円
年収五分位階級 III:436万円
年収五分位階級 IV:628万円
年収五分位階級 V:1083万円

 
一方で、同調査における「年間収入五分位ごとの消費支出」(用途分類:消費支出【円】)は以下のとおりです。
 

【2022年年収五分位階級別の消費支出(月間)】

年収五分位階級 I:13万6103円
年収五分位階級 II:19万3863円
年収五分位階級 III:23万609円
年収五分位階級 IV:27万930円
年収五分位階級 V:38万9653円

 
上記の2つのデータをもとに、各階級における収支の差額を計算できます。毎月の収支の差額が、各階級で貯金などに回せる余剰資金です。各年収階級の余剰資金を算出できれば、毎月5万円の貯金ができる年収を把握できるでしょう。
 

年収五分位階級ごとの余剰資金

各年収階級における毎月の余剰資金は、「(年収÷12)-毎月の消費支出」で算出できます。この計算式を使って算出した、各年収階級における余剰資金については、以下の数値をご参照ください。
 

【2022年年収五分位階級別の余剰資金(月間)】

年収五分位階級 I:(174万円÷12)-13万6103円=8897円
年収五分位階級 II:(305万円÷12)-19万3863円=6万303円
年収五分位階級 III:(436万円÷12)-23万609円=13万2724円
年収五分位階級 IV:(628万円÷12)-27万930円=25万2403円
年収五分位階級 V:(1083万円÷12)-38万9653円=51万2847円

 
上記の計算の結果、年収五分位階級 II では毎月平均6万円程度の余剰資金が発生していることが分かります。
 

毎月5万円の貯金をするために必要な年収

各年収階級の収支を比較した結果をもとに、毎月5万円を貯金に回すための必要な年収と注意点について解説します。
 

月5万円の貯金は年収305万円から

年収五分位階級ごとに収支を比較したところ、毎月5万円以上の余裕が生まれるのは年収五分位階級 II 以上の方でした。つまり、年収五分位階級 II の平均年収である305万円が、毎月5万円以上のお金を貯金に回せる年収のラインということになります。
 

各家庭の状況で柔軟な判断が必要

今回比較したデータは、総務省が統計した全国の平均値です。家計の状況は、生活環境によって大きく異なるため、必ずしも今回のデータを信用する必要はありません。例えば、年収600万円だったとしても、収支比率90%以上の方であれば月5万円の貯金はできません。
 
逆に、年収400万円の方でも収支比率85%以下であれば毎月5万円以上のお金を貯金に回せます。毎月、貯金に回すお金は生活環境に合わせて、無理のない範囲で計算するとよいでしょう。
 

まとめ

本記事では、毎月5万円を貯金に回せる年収について解説しました。総務省のデータを比較した結果、年収305万円以上の方であれば、毎月5万円以上貯金できる可能性があるといえます。しかし毎月の貯金額は、各家庭の状況に応じて柔軟に決定すべきです。家計の状況を考えながら、無理のない範囲で貯金をしましょう。
 

出典

総務省統計局 2022年 家計調査 家計収支編 用途分類 年間収入五分位階級別

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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