更新日: 2024.10.10 貯金

郵便貯金だけじゃなかった! 預金の権利が「10年で消える」のはどんなとき?

郵便貯金だけじゃなかった! 預金の権利が「10年で消える」のはどんなとき?
古い郵便貯金は、一定年数経過すると権利が失われることをニュースなどで知り、驚いた人は多いでしょう。実は、年数経過によって自由に引き出しができなくなる可能性があるのは、郵便貯金だけではありません。
 
本記事では、最後の取引から10年経過で預貯金に適用される「休眠預金等活用法」の概要や、対象となった預貯金がどうなるのかについて分かりやすくまとめました。放置している古い預貯金口座がある場合は、確認して適切な手続きを取りましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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郵便貯金の権利は約20年取引がないと消滅する

2007年9月30日以前に預け入れた定額郵便貯金や積立郵便貯金、定期郵便貯金は、満期を迎えたのち、払い戻しなどをせずに放置すると、20年2ヶ月が経過した時点で権利を消失します。満期になった郵便貯金がある場合には、早めに残高の引き出しなどの手続きをしましょう。
 
また、通常郵便貯金、通常貯蓄貯金についても、2007年10月1日以降10年以上入出金のない口座は、ATM・ゆうちょダイレクトが利用できなくなることがあるため注意が必要です。ATM・ゆうちょダイレクトで取り引きができなくなった場合は、窓口で解約や継続利用の手続きをする必要があります。
 
なお、2007年9月30日時点で20年2ヶ月が経過していた通常郵便貯金、通常貯蓄貯金は、「旧郵便貯金法」の規定により、すでに名義人の権利が失われています。
 

郵便貯金以外も10年の取り引きがないと「休眠預金」として扱われる

口座の取引がないまま一定期間が経過すると、自由に入出金ができなくなる可能性があるのは、ゆうちょ銀行だけではありません。
 
2018年に施行された「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(休眠預金等活用法)」により、銀行や信用金庫などの金融機関の預貯金口座のうち、最後の取引から10年が経過したものは、民間公益活動などの資金として活用されることとなりました。
 
「休眠預金等活用法」の対象となるのは、次のような金融機関・預貯金です。

・対象金融機関 日本国内の銀行、信用金庫、労働金庫、各種協同組合、農林中央金庫、商工組合中央金庫とこれらの連合会
 
・対象となる預貯金等 普通預金、貯金、定期預金、定期積金など

対象の金融機関に最後の取り引きから9年が経過した口座に1万円以上の残高がある場合、名義人に金融機関から郵送やメールで通知されます。通知を受け取れれば、その後10年間、当該口座は休眠預金等になりません。住所や連絡先メールアドレスの変更をその都度、金融機関に届け出ることが、「休眠預金等活用法」を回避するために有効な対策となります。
 
対象口座の預貯金が1万円未満の場合は個別の通知がなされないため、金融機関のWebサイトに掲載される公告を確認し、心当たりがある場合は金融機関に自ら問い合わせる必要があります。(公告には名義人名や口座番号などは掲載されません)
     

休眠預金は手続きをすればまた引き出せるようになる

最後の取り引きから10年が経過して「休眠預金等」とみなされた預貯金は、その後、一切引き出せなくなるわけではありません。「休眠預金等」となったあとも、預貯金の引き出しは可能です。この点は、ゆうちょ銀行の権利消失とは性質が異なります。
 
「休眠預金等」を引き出すには、金融機関に通帳やキャッシュカード、本人確認書類などを持参し、手続きをしなければなりません。必要な手続きは金融機関ごとに異なるため、事前に問い合わせておきましょう。
 
手続き後に口座をそのまま使えるのか、全額を引き出して解約となるのかも金融機関によって異なります。また、手続きから預金が引き出せるまでは時間がかかる可能性があるため注意が必要です。
 

使わない口座を整理して権利消失を防ごう

定期性の郵便貯金のうち2007年9月以前に預け入れたものは、満期後20年あまりで名義人の権利が消失します。また、それ以外の預貯金も入出金などの取引なしに10年が経過すると「休眠預金等」となり、民間公益活動などの資金に充てられることを覚えておきましょう。
 
権利消失や休眠預金となることを防ぐために、使っていない古い口座がある場合は、残高の引き出しをする、解約をするなど整理することが大切です。 
 

出典

金融庁 長い間、お取引のない預金等はありませんか?
ゆうちょ銀行 長期間ご利用のない貯金のお取り扱いについて
内閣府 民間公益活動促進のための休眠預金等活用
一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)休眠預金等活用とは
預金保険機構 休眠預金等活用法の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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