更新日: 2024.10.10 働き方

若手だからと「電話対応」ばかりで業務が進みません。これって「TELハラ」ですか? どうすれば良いでしょうか…?

若手だからと「電話対応」ばかりで業務が進みません。これって「TELハラ」ですか? どうすれば良いでしょうか…?
多くの会社では、新入社員や若手が電話を率先して取らなければならない「暗黙のルール」が存在します。もちろん、若手が率先して電話を取るのは仕事を覚えるためにも合理的です。
 
しかし、すべての電話を取らなければならなかったり、1回でも電話に出られないと嫌な顔をされたりするなどの過酷な現場で働く若手も少なくありません。当然電話対応ばかりしていては業務がはかどらず、残業をせざるを得なかったり、残業のせいで評価が下がったりする可能性もあります。
 
本記事では、若手に電話対応を押し付ける「TELハラ」や、電話が多い職場の打開策について解説します。

若手は積極的に電話対応するべきなのか

入社したらまずは電話対応から覚えたという人も多いのではないでしょうか。特に新入社員の場合は積極的に電話に出ることで、「取引先や顧客を覚えられる」「社内の人の名前を覚えたりコミュニケーションを取ったりできる」「仕事の理解が早まる」などのメリットがあります。
 
しかし、「多すぎる電話対応のせいで与えられた業務が終わらない」「電話に出られなかったら嫌みや陰口をいわれる」「新入社員の慣れない電話対応の様子を見て笑っている」など、明らかに若手育成の範囲を超えた現場も存在します。「電話対応に追われるせいで業務が終わらない」「電話対応に精神的苦痛を感じる」という場合は、先輩や上司に相談しましょう。
 

若手に必要以上に電話対応を押し付けるのは「TELハラ」です

若手に必要以上に電話対応を押し付けるのは「TELハラ」に該当します。TELハラとは、新入社員や若手が電話に出るのは当たり前という古い概念を押し付けられることです。
 
コミュニケーションツールも電話からLINE等のメッセージアプリへと移行してきています。その影響で普段から電話をあまり利用しないという人も増えてきました。セゾン自動車火災保険株式会社の「電話恐怖症に関する意識調査」によると、回答者全体の4割が電話でのコミュニケーションを苦手に感じると答えています。
 
電話対応に追われることによってストレスを感じたり、電話自体に恐怖心を抱いたりする若手がいる企業は早急に「電話対応マニュアルを見直す」「電話業務効率化を図る」「電話分担を決める」などの改善が必要です。
 

そもそも無駄な電話が多すぎないか考えるべきである

根本的には「電話対応に追われる」という問題は、かかってくる電話の回数を減らせば解決します。電話をかける前には1回の電話で済むようにあらかじめ内容を確認する、 不在時に電話がかかってこないようにするなど、無駄な電話を減らすことが大切です。

また、スムーズに取り次ぎができないことも電話を取る人の迷惑になってしまいます。折電をお願いする場合は相手に忘れずに部署名・名前を伝える、折り返し可能な時間を伝えて離席しないなど「電話を取ってくれる人への思いやり」を会社全体の共通認識として持つ必要があります。
 

効率よく電話対応するための打開策を考える

大企業だと、受付に電話がかかってきて担当に電話をふるというスムーズな流れができています。いわゆる電話対応に特化した担当者がいるので、誰が電話対応するべきかという問題が発生しません。
 
しかし、複数人が集まるオフィスに直接電話がかかってくる企業の場合は、若手が積極的に取らなければならないとプレッシャーを感じてしまいがちです。そのような企業は、かかってくる電話が多いと精神的に追い詰められる若手も出てくるため、離職率や休職率を上げる要因になり得ます。
 
優秀な若手社員が電話対応に追われて離職する、本来の業務ができないなどの事態に陥った場合は企業の大きな損失にもなります。そのような企業は、「メールやチャットツールなど電話以外の連絡手段を積極的に用いる」「電話自動応答システムを導入する」などの業務効率化を図ることで負担を減らすことができます。
 

電話が誰かを苦しめるものであってはならない

本来電話は、円滑なコミュニケーションや信頼関係を構築するうえで優れたツールです。便利なはずの電話が、業務負担を増やしたり、誰かの大きなストレスになったりしては本末転倒です。電話対応に追われている人は遠慮なく上司や先輩に相談しましょう。
 

出典

セゾン自動車火災保険株式会社 電話恐怖症に関する意識調査

 
執筆者:桜下あかり
FP2級

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