「エアコンはつけっぱなしのほうがお得」は本当？ 24時間気にせず使っていると1日の電気代はどれくらい？

夏場に欠かせないエアコンですが、その消費電力は家電のなかでも大きく、電気代は高くなる傾向にあるでしょう。そんなエアコンの節約方法として、「つけっぱなしのほうがお得」という意見もありますが、果たして本当なのでしょうか。
 
本記事では、エアコンを24時間使うとどのくらいの電気代になるのか、またどのように節約すればよいのかについて解説します。

エアコンをつけっぱなしにすると電気代はどれくらい？

エアコンを24時間つけっぱなしにすると、電気代はどれくらいかかるのでしょうか。まず、6畳の部屋で使用する場合の消費電力の目安を見ていきましょう。
 
エアコンの消費電力は機種にもよりますが、ある機種での冷房時は最小110W〜最大920Wほど、暖房時は最小105W～最大1480Wほどと大きな幅があります。これは、外気温などの条件によって消費電力が大きく異なるためです。
 
これをそのまま電気代に換算すると、1時間あたりの電気代は「消費電力（W）÷ 1000 × 電気料金単価（円/kWh）」で、電力単価を31円/kWhとした場合、24時間のつけっぱなしで冷房は最小81.84円～最大684.48円、暖房は最小78.12円～最大1101.12円となります。部屋の広さや季節、設定温度によって大きく変動するものの、おおむね丸一日で数百円の電気代がかかる計算です。
 

「つけっぱなしのほうが安い」は本当？

それでは、つけっぱなしのほうが安いというのは本当なのでしょうか。結論からいうと、消す時間が30分以内であれば消さないほうが節約になる可能性が高いです。これはエアコンの起動後、設定温度まで部屋を冷やすのにたくさんの電力が使われるからです。
 
エアコンをこまめにオンオフすると稼働時間を減らすことはできますが、オフの間は部屋が温まってしまい、オンした際にはその温度差によりたくさんの電力が必要となるのです。したがって、30分程度の外出であれば、電源をオフにせずにつけっぱなしにしておいたほうが消費電力は少なくて済むのです。
 

エアコンの節約方法3選

それでは、エアコンはどのようにすれば節約できるのでしょうか。ここでは大きく3つの節約方法を紹介します。
 
まずは、エアコンを必要なときだけ使用することです。東京電力エナジーパートナー（株）の「電気代の節約表」によると、冷房を1日1時間短縮するだけで、年間で電気18.78kWhの省エネと約580円の節約ができます。
 
同様に、暖房も1日1時間短縮すると、年間で電気40.73kWhの省エネと約1260円の節約が見込めます。先述したように消す時間の目安もふまえてエアコンのオンオフをコントロールすることで、無駄なエネルギー消費の削減が可能です。
 
また、設定温度を適切に管理することです。東京電力エナジーパートナー（株）の「電気代の節約表」によると、冷房時には設定温度を1度上げるだけで、年間で電気30.24kWhの省エネと約940円の節約が期待できます。逆に、暖房時に設定温度を1度下げると、年間で電気53.08kWhの省エネと約1650円の節約につながるというデータもあります。
 
そのほか、フィルター清掃も重要です。エアコンのフィルターが目詰まりしていると、エアコンの効率が下がります。東京電力エナジーパートナー（株）の「電気代の節約表」によると、月に1回か2回の清掃だけでも、年間で電気31.95kWhの省エネと約990円の節約が期待できます。
 
フィルターを取り外して水洗いや掃除機で清掃する程度の簡単な作業となっている場合が多いため、ぜひこまめに行うようにしましょう。
 

正しい節約方法で効率的にエアコンを使おう

夏場・冬場はエアコンの電気代が家計に大きく響きますが、節約のポイントをいくつかおさえておくだけで電気代を年間1000円以上も削減できる可能性があります。特に、30分程度の外出であればエアコンはつけっぱなしにする、無理なく設定温度を1度上げたり下げたりする、こまめにフィルターを清掃するといったすぐにできる方法を、今日から実践してみてはいかがでしょうか。
 

出典

経済産業省 家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約

東京電力エナジーパートナー株式会社 電気代の節約表
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー