更新日: 2024.10.10 働き方
「2024年問題」の打撃は運送業界だけじゃない⁉私たち「消費者」の生活に起こりうる影響とは?
本記事では、2024年問題の基礎知識を解説したうえで、生活に及ぶ影響と、改善のためにできることをご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2024年問題とは
2024年問題とは、2024年4月1日から、自動車運転業務の年間時間外労働(残業)時間が、960時間に制限されることによって起こる、諸問題の総称を指します。
ドライバーの労働時間が減ることは、一見よいことのように感じますが、物流業界にとっては、深刻な問題が起こる可能性があるのです。
ドライバーの労働時間が減ると、1日で運べる荷物の量も減り、運送会社の売り上げが減ってしまうでしょう。そのため、運賃を上げなければなりませんが、実際には競合が多く、荷主が運賃の安い企業に移ってしまう可能性もあるため、なかなか難しいというのが現状です。
また、労働時間の減少は、ドライバーの収入減にもつながってしまいます。トラックドライバーは、走行距離によって手当てが出されるケースが多いため、労働時間の減少によって走る距離が短くなれば、収入が減少してしまうのです。
収入が減ると、離職につながる可能性もあり、ただでさえ労働力が不足している運送業界の人手不足に、追い打ちをかけてしまうことも考えられます。
2024年問題により生活に起こりうる影響
2024年問題による影響は、運送業界だけにとどまらず、私たちの生活にまで及んでくるといわれています。
例えば、下記のような影響が考えられるでしょう。
◆荷主への影響
●運送するための送料が上昇する
●モノを送りたいタイミングで送ることが難しくなる
●輸送そのものを断られる可能性も
◆消費者への影響
●当日・翌日配達のサービスがなくなる
●再配達が有料になる
●魚や野菜など、新鮮なものが届かなくなる
●置き配が当たり前になる可能性も
このように、2024年問題によって、便利だったものがなくなったり、有料になってしまったりする可能性があるのです。
消費者としてできること
消費者としてまずできることは、再配達を減らすことでしょう。再配達を減らすことで、運送業者の手間を削減して、負担を減らせます。
そのためには、確実に家にいる時間に日時指定するとか、置き配や宅配ロッカーを活用するなどの取り組みが求められます。
また注文する際は、少しずつ注文するのではなく、できる限りまとめましょう。少しずつ注文すると、短期間に何回も同じ家に届けなければならないため、配送回数が増えて非効率的です。
消費者としてできることは決して多くありませんが、一人ひとりが意識することで改善につながりますので、無理のない範囲で行いましょう。
一人ひとりができることをして課題解決につなげましょう
2024年問題は、運送業界だけではなく、私たちの生活にまで影響を及ぼしてしまいます。
ただ、消費者として、一人ひとりが対策をとることで、影響が小さくなったり、もしかすると、なくなったりするかもしれません。
できることをできる範囲で行って、少しでも、2024年問題を解決できるように努めましょう。
出典
公益社団法人秋田県トラック協会 貨物自動車運送事業者の皆様へ 労働関係法令が改正されました
公益社団法人全国トラック協会 知っていますか?2024年の物流問題
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー