更新日: 2023.09.06 働き方

「時短勤務」なのに毎日残業しています。年間「30万円」の損になるって本当ですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「時短勤務」なのに毎日残業しています。年間「30万円」の損になるって本当ですか?
育児や介護のために働き方を時短勤務に変えたはずが、「結局毎日残業している……」という人もいるでしょう。 実際には年間でいくら損をしているのか知っていますか?
 
時短勤務を続けたい人は、手取り額を増やす方法も詳しく解説しますので参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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時短勤務で25%以上の給与カット! 実際にいくら損しているの?

時短勤務制度を設けることは育児・介護休業法で事業主に義務づけられていますが、給与の減額については定められておらず働いた時間だけ給与を受け取ることが一般的です。1日8時間のフルタイムから6時間の時短勤務になった場合に給与はいくら減るのか、以下の条件のもとに、実際に計算してみましょう。
 
【時短勤務の給与の計算式】
 
基本給×時短勤務の所定労働時間÷通常の所定労働時間=時短勤務時の月給
 
図表1【計算条件】


筆者作成
 
受け取れる給与を計算式に当てはめると下記の通りです。
 
20万円×120時間(実労働時間)÷160時間(所定労働時間)=15万円
 
フルタイムの給与から25%減って毎月15万円、年収では240万円が180万円になります。さらに賞与も減額されるので注意が必要です。例えば賞与が基本給の3ヶ月分であれば基本給15万円×3ヶ月=45万円で、フルタイム(20万円×3ヶ月=60万円)と比べると年間で15万円減る計算です。
 
では時短の勤務時間では上がれずに毎日1時間残業した場合を考えてみましょう。上記の条件であれば毎月減額された5万円のうち半額の2万5000円の給与をもらい損ねていることになり、年間30万円を損しています。
 
残業が日常化する場合は、時短勤務の時間を変更できるか社内の規定を確認して実労働時間に見合った給与・賞与をしっかり受け取るようにしましょう。
 

時短勤務を続けるなら「手取り額」を増やす方法をチェック

「今は時短勤務を続けたい、続けるしかない」という人は、今の給与の中で、手取り額を増やす検討をしてみてはいかがでしょうか。詳しく解説します。
 

社会保険料を減額してもらう

育児休業後の時短勤務で給与が減ったのであれば、差し引かれる社会保険料を減らして手取り額を増やすことができます。
 
会社を通じて「育児休業等終了時報酬月額変更届」で給与が減ったことを申し出ると、健康保険や厚生年金の社会保険料も減額される仕組みで、休業復帰から4ヶ月目から安くすることができます。
 

配偶者控除でパートナーの税金を抑える

パートナーの税金負担を抑えて家計の手取りを増やす方法として「配偶者控除」または「配偶者特別控除」があります。夫婦共働きでお互いにフルタイムで働いていると控除を受けられない人も多いので、関係のない仕組みと思っている人もいるでしょう。しかし時短勤務で給与が減れば適用される場合があるので、確認してみましょう。
 
実際には「配偶者の所得が1000万円以下」で、時短勤務をする本人の所得が下記の条件に当てはまることが要件です。

時短勤務による年間の所得
・103万円以下 ・・・「配偶者控除」が適用
・48万円超133万円以下 ・・・「配偶者特別控除」が適用

控除は年末時点で上限を超えなければ受けられますが、配偶者が職場の年末調整で申請する必要があるので忘れないようにしましょう。
 

ふるさと納税で節税

ふるさと納税は寄附した金額の一部(自己負担額2000円)が所得税や住民税から差し引かれる仕組みで、所得税は納税した年、住民税は翌年の負担を減らすことができます。返礼品はよく使う日用品や食品を受け取れば生活費も抑えられて手元に残るお金をさらに増やすことに役立つでしょう。
 
寄附の上限額は年収によって変わるので、時短勤務に変わってある程度年収の目安が分かってから活用するといいです。
 

まとめ

時短勤務のはずが毎日残業をしていると、年間で数十万円も給与や賞与をもらい損ねているかもしれません。
 
どうしても時短勤務を続ける必要がある場合は、手取り額を増やす工夫を試してみると良いでしょう。
 

出典

厚生労働省 育児・介護休業法の概要
日本年金機構 育児休業等終了時報酬月額変更届の提出
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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