「固定残業代」が導入された!毎月固定の残業代が入るからラッキーと思っていたら、落とし穴もあるって本当ですか?

配信日: 2023.09.07 更新日: 2024.10.10

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「固定残業代」が導入された!毎月固定の残業代が入るからラッキーと思っていたら、落とし穴もあるって本当ですか?
近年は、固定残業代を導入する企業が増えてきています。固定残業代とは、毎月の基本給に加えて、決まった金額の残業代が支給される制度で「みなし残業代」や「定額残業手当」ともよばれるものです。
 
あらかじめ、残業代が固定給に含まれているため、残業時間を計算する必要はなく、一定時間の時間外労働・休日労働・深夜労働を見込んで支払われます。
 
残業しなくても、一定の残業代が支払われる固定残業代は、労働者にとっては一見、メリットの大きい制度に感じます。しかし、デメリットや注意点もあるため、事前によく確認しておかなければなりません。
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固定残業代を職場に適用させるための条件とは?

固定残業代を賃金に含めるにあたって、企業と労働者との間でトラブルになることがないように、募集要項や求人票で、すでに勤務している従業員に対しては労働条件通知書や就業規則などの書面を通じて、適切な表示を行うことが必要とされています。
 
まず、残業代を除いた基本給の額と、労働時間数・金額などの計算方法を明記しなければなりません。「時間外労働の有無にかかわらず、〇時間分の時間外手当として△△円を支給」というように、誰が見ても誤解のない内容になっているかを確認しましょう。
 
さらに、固定残業時間を超える時間外労働や、休日労働および深夜労働に対して、割増賃金を追加で支払う旨も明示されているかを、チェックしておく必要があります。
 

労働者にとって固定残業代のよいところとは?

固定残業代は、残業をしてもしなくても残業代が支払われるため、労働者にとっては、収入が安定しやすい点がメリットです。繁忙期・閑散期に関係なく、収入の変動が少なくなることは、生活費の安定にもつながります。
 
また、少ない残業時間でも固定の残業代が入りますので、なるべく早く仕事を終わらせるように、業務を効率化するための工夫をする労働者も増えるでしょう。
 
結果的に、労働者自身の能力向上につながる可能性もあります。固定の残業時間を超過したときには、超過分の残業代が追加で支払われるため、残業が長時間に及んだ場合であっても、正規の残業代を受け取ることが可能です。
 

固定残業代を導入している職場で働く際の注意点

固定残業代を含めた金額だけではなく、固定残業代を除いた基本給の金額も、忘れずに確認しましょう。固定残業代を含めると高額に見えても、基本給が低すぎる場合は問題です。最低賃金に違反している可能性もあるため、まずは計算してみましょう。
 
また、一部のブラック企業では、固定残業時間分を消化するために、残業を強要してくるケースも見受けられます。必ず、固定残業時間分の残業をしなければならないという制度ではありませんので、そうした場合は、労働基準監督署への相談も、視野に入れることをおすすめします。
 

法律にのっとって正しく運用されているか確認を

固定残業代は、収入が安定しやすいことなど、労働者にとってメリットの大きな制度です。しかし、正しく運用されずに、未払い残業代が発生するなどのトラブルも多く報告されているため、注意が必要でもあります。
 
法律にのっとって、正しく運用されているかどうかが重要なポイントになりますので、まずはこの制度について、詳しく把握しておくことが大切です。
 

出典

厚生労働省 スタートアップ労働条件「Q 固定残業代を支払うこととすれば、残業や休日勤務をさせても別途に残業代を支払わなくてよいでしょうか?」
厚生労働省 「固定残業代 を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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