夫の勤務先が「ブラック企業」のようで心配です。「ブラック」の具体的な基準はありますか?

配信日: 2023.09.20 更新日: 2024.10.10

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夫の勤務先が「ブラック企業」のようで心配です。「ブラック」の具体的な基準はありますか?
ブラック企業ということばには多くの人々が戸惑い、不安を感じることでしょう。勤務先がブラック企業かどうかは、労働時間や賃金、または職場の人間関係などが判断材料になります。
 
この記事では、ブラック企業の一般的な定義と、そのチェックポイントとなる「長時間労働」「賃金不払い残業」「パワーハラスメント」に焦点をあてて解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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ブラック企業の特徴とは?

「ブラック企業」という用語の定義について、厚生労働省は明確にもうけていませんが、一般的には、次のような行為がみられる企業は「ブラック」といえるでしょう。

労働者に対して極端な長時間労働を課している
賃金不払い残業が常態化している
パワーハラスメントが横行している

このような状態は企業全体のコンプライアンス意識の低さが原因です。改善の要請については、新入社員などが単独で企業に対して行うのは困難でしょう。そのため、外部の関係機関や労働組合に相談することも1つの手段とされています。
 

ブラック企業のチェックポイント

ブラック企業の特徴に挙げられた、主なキーワードについて解説します。
 

長時間労働

長時間労働は日本だけでなく、世界中で問題視されています。日本の場合、労働基準法において、1日の労働時間は8時間、週の労働時間は40時間と定められています。しかし、36協定により、一定の条件下でこれを超えることも可能です。具体的には、1カ月あたり45時間以内の残業が認められています。
 
また、厚生労働省が設定する過労死の基準としては、1カ月の残業時間が80時間以上、精神疾患の基準としては1カ月の残業が160時間または労働時間の合計が333時間といった形で具体的な数字が出されています。これらの基準を超えると、身体や心に重大な影響が出る可能性が高くなるのです。
 
長時間労働は、ストレスを増大させるだけでなく、健康を損なう危険性があります。また、結果的に仕事の効率を下げ、生産性も下げる結果になるでしょう。
 

賃金不払い残業

賃金不払い残業は、労働基準法に明確に違反しています。具体的には、労働者が所定の労働時間を超えて働いた場合、その分の賃金、特に「割増賃金」を支払わないで労働を強いる行為です。
 
労働基準法第37条には、時間外労働、休日労働、深夜労働に対する「割増賃金」の支払いが義務付けられています。賃金不払い残業は、労働者の権利を侵害するため、会社自体に罰則が科される可能性があります。
 
このような不正行為によって、労働者には過労で健康を害するリスクが高まり、また、企業のブランドや評価にも大きな影響を与えることになるのです。
 

パワーハラスメント

パワーハラスメントとは、職場での人間関係において、地位や立場の違いを利用し、ほかの従業員に対して精神的、あるいは肉体的な負担を強いる行為を指します。具体的な類型としては、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害などです。
 
これらはすべて、職場の健全な運営を阻害(そがい)し、労働者の心理的、肉体的健康をそこないます。特に繰り返される場合、その影響は深刻で、最悪のケースでは労災が認定される場合もあるのです。
 

ブラック企業のキーワードは長時間労働、賃金不払い残業、パワーハラスメント

ブラック企業には明確な公的定義はありませんが、長時間労働、賃金不払い残業、パワーハラスメントなどの問題が一般的に挙げられます。これらの用語の意味を理解しておけば、勤務先がブラック企業かどうか判断できます。
 
ただし、対処する場合には、労働者個人での改善要求は困難なことも多いので、ひとまず外部の専門機関や労働組合に相談してみましょう。
 

出典

厚生労働省 「ブラック企業」ってどんな会社なの?|Q&A|確かめよう労働条件
厚生労働省 36協定
厚生労働省 賃金不払残業ってなんですか
厚生労働省 パワーハラスメントの定義について
厚生労働省 精神疾患の労災認定について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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