「手取り22万円」になったので、実家を出て都内で一人暮らしを考えています。貯金はできなくなりますか?
配信日: 2023.09.26 更新日: 2024.10.10
しかし、手取りが20万円を超えていても、実際に一人暮らしを始めると、お金のやりくりを上手にできるかが不安です。そこで今回は、手取り22万円であれば、都内で一人暮らしができるのかどうかを説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
20代、みんな毎月いくら貯金してる?
三菱UFJ銀行が実施したアンケート調査「20代に聞く!どれくらい貯金している?貯金を増やすために心がけていることは?」の結果を基に、20代の貯金額を確認します。
毎月貯金に取り組む20代のうち、もっとも回答が多かった貯金額は、毎月「1万円~3万円未満」(33.9%)でした。次いで多かったのが「3万円〜5万円未満」(23.7%)、「5万円〜10万円未満」(20.2%)でした。
そのうち、一人暮らしの方のみに限定した場合の貯蓄額は、表1の通りです。1万円~3万円未満の貯金をコツコツ続けている方が、最多の割合を占めています。
表1
貯金額 | 割合 |
---|---|
1万円~3万円未満 | 39.7% |
3万円~5万円未満 | 22.2% |
5万円~10万円未満 | 15.9% |
1万円未満 | 14.3% |
その他 | 7.9% |
※株式会社三菱UFJ銀行「20代に聞く!どれくらい貯金している?貯金を増やすために心がけていることは?」を基に筆者作成
都内の家賃はいくらかかる?
都内の家賃相場について確認します。総務省統計局の「平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」によると下記の通りとなりました。
・東京都……8万1001円
・全国平均……5万5695円
・近隣の県……埼玉県5万9358円、千葉県5万7421円
相場の目安を踏まえれば、積極的に貯金をしたいならば、近隣の県を選ぶべきといえるでしょう。しかし都内でも、全国平均と同等の料金で借りられる部屋もあります。
例えば、不動産・住宅情報サービスのサイトを参照すると、5万円台や6万円台で借りられる部屋のある地域として、表2の地域が挙げられます。(※2023年9月時点)
場所を選べば、都内でも家賃を抑えながら住めるでしょう。
表2
5万円台 | 6万円台 |
---|---|
多摩市、東大和市、東村山市、青梅市、武蔵村山市、東久留米市、あきる野市、八王子市、福生市、小平市、日野市 | 昭島市、稲城市、西多摩郡瑞穂町、町田市、西多摩郡日の出町、国立市、羽村市、江戸川区、西東京市、府中市、狛江市、 小金井市、立川市、葛飾区、国分寺市、清瀬市 |
※筆者作成
都内で一人暮らしするにはいくら必要?
一人暮らしをする場合、賃料のほか、生活費も自身の手取りでまかなわなければなりません。総務省統計局の「家計調査 家計収支編 単身世帯 2022年」によると、34歳以下単身者の住居費用を除く消費支出額は、表3の通りです。
表3
項目 | 年間支出額 | 月額換算 |
---|---|---|
食料 | 44万166円 | 3万6680.5円 |
光熱・水道 | 11万1266円 | 9272.2円 |
家具・家事用品 | 4万5339円 | 3778.3円 |
被服・履物 | 9万4156円 | 7846.3円 |
保健医療 | 6万4661円 | 5388.4円 |
交通・通信 | 24万1312円 | 2万109.3円 |
教養娯楽 | 26万7612円 | 2万2301円 |
その他 | 19万3759円 | 1万6146.6円 |
合計 | 145万8271円 | 12万1522.6円 |
※小数点第2位以下四捨五入
※総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 2022年」を基に筆者作成
月額に換算すると、家賃のほかに、12万1523円程度が必要になる計算です。仮に、都内で6万円の家を借りた場合、家賃と生活費を合計すると毎月19万円近い支出になります。つまり、理論上は不可能ではないうえに、1万~2万円の貯金はできる可能性があります。
ただし、奨学金の返還で別途1万~2万円が必要な場合や、趣味に数万円使う場合は、親からの仕送りなしで生活していくことは、難しいといえるでしょう。
手取り22万円で都内の一人暮らしを始めるなら、物件を厳選する必要がある
手取りが22万円の場合、都内で一人暮らしを始めるには、5万~6万円程度で借りられる物件を探す必要があります。しかし地域が限られるため、交通費や利便性なども考慮して、慎重に検討しなければならないでしょう。
少し余裕をもって生活をしたい場合や、奨学金の返還がある場合などは、もう少し手取りが増えるまで、待ったほうがよいかもしれません。
出典
株式会社三菱UFJ銀行 「20代に聞く!どれくらい貯金している?貯金を増やすために心がけていることは?」
総務省 統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)「家計調査 家計収支編 単身世帯2022年」<品目分類>1世帯当たり年間の品目別支出金額 10 男女,年齢階級別 単身世帯・勤労者世帯
総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」(11ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー