離婚したら「結婚指輪」は相手に半額分返す必要があるの? 離婚後に財産分与が「必要なもの・不要なもの」について解説

配信日: 2023.09.28 更新日: 2024.10.10

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離婚したら「結婚指輪」は相手に半額分返す必要があるの? 離婚後に財産分与が「必要なもの・不要なもの」について解説
「離婚をするとき、結婚指輪は相手に半額分を返す必要があるのか」と悩んでしまう人もいるかもしれません。本記事では結婚指輪を始め、離婚後に財産分与をする必要があるものとないものについて解説します。

財産分与とは

財産分与とは離婚したとき、片方がもう一方に対して、共に持っている財産を公平に分けるように求めることができる制度です。この財産分与は、夫婦の共同生活中に得た財産を公平に分けることが基本となりますが、加えて離婚後の生活を守るためや、離婚の原因を作った方への損害賠償としての性質もあります。
 
分与の金額は、夫婦間での協議により決定されますが、合意が取れない場合には家庭裁判所を通じて決定されることもあります。家庭裁判所の決定では夫婦共働きであっても、どちらかが専業主婦(夫)であっても、多くの場合、財産を半分ずつに分けることが一般的です。
 
分与の対象となる財産は共有名義だけでなく、片方の名義になっていても夫婦の協力で築き上げたものであれば考慮されます。例えば夫の名義の家でも、妻が家事などを分担していた場合、その家も夫婦の共有財産として扱われます。
 
財産分与の手続きは、離婚する際や離婚後に行えますが、離婚してから2年が経過すると家庭裁判所での手続きが難しくなるため、早めに手続きしておくとよいでしょう。
 

結婚指輪は財産分与に該当するのか

結論として、結婚指輪は贈与で得たものとみなされるため、財産分与の対象ではありません。財産分与では、夫婦が婚姻中に共に築き上げた財産を分けることを目的としています。例えば家や土地、預金、株式などが挙げられます。
 
仮に財産が一方の名義であっても、実際には夫婦で共有していると認識される場合は財産分与の対象です。しかし、婚姻前に各自が持っていた物や、結婚してからでも相続や贈与で得た物は財産分与の対象外とされます。また、個人が所有する衣服やアクセサリーなど、明らかに一方だけのものとみなされる財産も財産分与の対象ではありません。
 

財産分与が不要なものを具体的に解説

結婚指輪以外にも財産分与の対象とならないものは多くあります。財産分与が不要なものは図表1のとおりです。
 
図表1
 

婚姻前に既に持っていた財産 預貯金・投資信託・株式など
別居後に手に入れた財産 別居後に稼いだ給与や購入物など
夫婦間で贈与された財産 夫婦間でプレゼントしたもの
(宝石・ブランド物・指輪など)
個有財産 衣類・アクセサリー・趣味で利用する道具など

 
裁判所 財産分与請求調停を基に著者作成
 
このように、婚姻生活中に手に入れたすべての財産を分与するわけではありません。
 
ただし夫婦の状況によっては、離婚後に分与するものについて話し合いで解決ができない場合もあるでしょう。その場合には、離婚時から2年以内に家庭裁判所に調停または審判の申立てをし、財産分与の請求をします。
 

まとめ

結婚指輪は、夫婦間でプレゼントとして贈与されるものであり、財産分与の対象には含まれません。また、結婚指輪だけでなく、他の固有の財産も財産分与の対象から除外されるものは多くあります。夫婦で財産分与について意見が合わないときは、離婚後2年以内に家庭裁判所の調停または審判の申立てが可能です。
 
離婚時には、分与対象となる財産を明確に特定し、自分の意見や考えをしっかり持つことが大切でしょう。
 

出典

法務省 財産分与

裁判所 名古屋家庭裁判所 「財産分与」調停とは…

裁判所 岡山家庭裁判所 婚姻関係財産一覧表 入力上の注意点

裁判所 財産分与請求調停

 
執筆者:鳥居佳織
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