更新日: 2023.09.28 働き方

育児休業を取得中です。合間の時間に副業をするとなにか問題がありますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

育児休業を取得中です。合間の時間に副業をするとなにか問題がありますか?
働き方改革や不況の影響もあり、従業員の副業を認める企業が増えてきました。育児休業中に自由な時間があると、自分も挑戦してみたいと思うかもしれません。一方、本当にそれで稼いだ場合、何か問題にならないのか疑問に感じることもあるでしょう。
 
そこで本記事では、育児休業中の副業に関して注意したほうがよい点を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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まず勤務先の就業規則などをチェック

法的に育児休業中の労働は禁止されていません。勤務先の企業が許可しているなら、働いてもかまわないということになります。ただし、情報流出や本業でのパフォーマンス低下などを懸念(けねん)して、副業自体を容認していない企業も少なくありません。
 
したがって、就業規則などを確認し、勤務先の判断や方針について把握が必要です。通常勤務時の副業は認めていても、育児休業中の実施は認めていない可能性もあります。そもそも育児休業中の副業を少しも想定しておらず、まだルールを定めていないケースも見受けられます。
 
企業が従う育児・介護休業法でも、そのような想定はしていないため、自分の勤務先でもルールが定められていない可能性は充分にありえます。
 
よって、就業規則などのチェックが必要なのは当然ですが、禁止と明記されていなくても、独断で始めるのはよくありません。厳重注意や減給といったペナルティの対象にならないように、事前に問い合わせて問題がないか確かめておきましょう。
 

育児休業給付金の支給停止に要注意

勤務先が育児勤務中の副業を認めていると分かっても、まだ気を付けなければならない点があります。それは「育児休業給付金」が支給されなくなるリスクです。
 
「育児休業給付金」とは給与の代わりであり、文字どおり育児休業中の生活資金の柱となる大切なものです。受給の要件を満たさなくなった場合、このリスクが生じるので注意しなければなりません。副業による収入額によって「育児休業給付金」が減額されることはなく、満たすべき受給の用件は下記の2つです。
 
「就業日数が10日以下であること」
「10日を超える場合は就業時間が月80時間以下であること」

 
自分の希望する副業や働き方と、この受給要件をしっかり照らし合わせて、副業を始めるかどうか慎重に判断しなければなりません。
 

副業をすると基本的に確定申告が必要

「育児休業給付金」は非課税なので、受けとっても育児休業中の確定申告は不要です。ただし、副業で得た収入があると話は変わってきます。勤務先で年末調整を受ける人は、副業の収入が20万円をオーバーすると、確定申告をしなければなりません。
 
年末調整を受けないなら、副業の分も含めた課税所得が基礎控除額48万円を超えた場合に必要です。それらの知識を持たずに無申告のままでいると、加算税や延滞税などの対象になってしまいます。このようなリスクもあるため、副業を行うか否かの検討時は、目標金額や確定申告の必要性なども確認するようにしましょう。
 

副業のスタートは問題がないことを確認しよう

育児休業中の家事や子育てに慣れてくると、働く余裕が生まれる場合もあります。その時間に行える副業は、職場復帰までの収入源として期待できます。
 
とはいえ、勤務先のルールに従う必要があり、育児休業給付金の支給要件や、確定申告のことも考慮しなければなりません。自分のケースに関して、リスクの有無や大きさを正しく把握し、それでも大丈夫と確認できてから始めるようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 モデル就業規則
厚生労働省 育児休業中の就労について
厚生労働省 育児休業給付の内容と支給申請手続
厚生労働省 Q&A~育児休業給付~
厚生労働省 育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の支給について
国税庁 No.1900給 与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 令和4年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き
国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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