更新日: 2024.10.10 家計の見直し
1人暮らしの節約には「野菜炒め」が最強? 1袋「198円」のカット野菜を使った場合のコスパや栄養について解説
野菜炒めはカット野菜を使えば素早く作れますが、価格面や栄養面でデメリットはあるのでしょうか。ごはんとカット野菜を使った野菜炒めを食べると費用はどれくらいなのか、栄養はきちんと取れるのかを検証してみます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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単身世帯の1食あたりの食費と中身
家計調査(単身世帯・2022年)のうち品目別支出金および購入頻度のデータを見てみると、単身世帯全体の1年間の食料支出は51万9311円、勤労者世帯は53万1991円でした。これを1日あたりに換算すると、単身世帯全体では約1423円、勤労者世帯では約1458円です。
1食あたりに換算すると、単身世帯全体では約473円、勤労者世帯では約486円になりました。年間に購入した米は単身世帯全体では7127円、勤労者世帯では4464円です。
単身世帯全体でも勤労者世帯でも穀類の中で消費金額が最も多いのはパン、続いて麺類となっており、米の支出は3番目です。その他のパンは単身世帯全体で食パンと比べて約2.5倍、勤労者世帯では約3.3倍多くなっています。
また、麺類の中ではカップ麺の割合が最も高く、単身者世帯全体で約36%、勤労者世帯で約46%です。これらのデータから、単身世帯は朝食に調理パンや食パン、昼食と夕食に麺類またはご飯を食べているという生活スタイルが想像できるのではないでしょうか。
ご飯と野菜炒めのコスパは?
厚生労働省は「健康日本21(第二次)」で、生活習慣病を予防するために1日に野菜を350g以上摂ることを目標値として掲げています。
一例として、カット野菜を販売している株式会社サラダコスモの「ドドンと! 500gメガ盛り国産野菜ミックス」は、発売が発表された2023年3月15日時点の参考価格が500gで198円です。1袋買えば、厚生労働省が推奨する1日350gの野菜はクリアすることになります。春夏向けの同商品には、もやし、たまねぎ、キャベツ、人参が含まれています。
2023年8月時点の1kgあたりの野菜の価格推移を見てみると、もやしは188円、たまねぎは296円、キャベツは166円、にんじんは458円です。それぞれ1kgずつ購入したとすれば4kgで1108円です。4種の野菜を均等に合わせて500gに換算すると138.5円になります。
カット野菜は手軽に使えるメリットはあるものの、普通に野菜を購入して調理するよりコスト的にはやや割高となっています。ただ、一人暮らしの場合は野菜を購入しても使いきれずに廃棄してしまうと無駄になるので、カット野菜は食品ロスに配慮できる点がメリットだといえます。
野菜炒めばかりでは栄養面に心配も
カロリー計算サイト「カロリーSlism」で試算した、キャベツ、たまねぎ、にんじん、ピーマンを入れた野菜炒めだけのカロリーや栄養成分を見てみると、1皿(約200g)あたりのカロリーは114kcalとかなり低めです。栄養面ではタンパク質が2.4g、脂質が7.25g、炭水化物が12.24gで、脂質が多くタンパク質や炭水化物は少ししかありません。
ごはん1膳のカロリーは250kcalとなり、野菜炒めと合わせて食べるとカロリーは364kcal、タンパク質は6.4g、脂質は7.73g、炭水化物は71.6gです。なお、18~29歳の女性(体重51kg)の1食あたりの摂取目安は、カロリー536~751kcal、タンパク質15~34g、脂質13~20g、炭水化物70~105gとされています。
ごはんと野菜炒めだけでは、カロリーも3大栄養素も不足しているといえるでしょう。例えば、野菜炒めに肉を加えた肉野菜炒めとごはんにすると、カロリーは560kcal、タンパク質は12.86g、脂質は28.38g、炭水化物は67.45gです。
野菜炒めとごはんよりはバランスは良くなりますが、脂質が高くなりすぎます。野菜炒め、ごはん、わかめの味噌汁、沢庵の定食にすると、エネルギーは516kcal、タンパク質は10.64g、脂質は11.85g、炭水化物は98.47gです。タンパク質や脂質が少なく、食塩相当量が3.75と塩分過多になります。
カット野菜は手軽ではあるものの毎日同じメニューでは栄養が心配
厚生労働省は、生活習慣病予防のために毎日350g以上の野菜を摂ることを目標としています。ただし、350gの野菜は同じものからではなく、できれば緑黄色野菜と淡色野菜を取り混ぜてさまざまな食材から摂ることがお勧めです。
カット野菜は手軽に使えて調理の手間が省けるものの、コストは普通の野菜を購入するよりも割高になります。また、毎日3食ご飯と野菜炒めだけを食べていては健康面で不安が出てくるでしょう。1日約1400円の食費の中で、ごはんと野菜炒めの他にもさまざまなものを組み合わせて食べるようにしましょう。
出典
総務省統計局 家計調査 2022年 単身世帯
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー