更新日: 2023.10.10 貯金

「家賃は手取りの3分の1」ルールは当てにならない? 年収400万だけど貯金できない人の見直しポイント

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「家賃は手取りの3分の1」ルールは当てにならない? 年収400万だけど貯金できない人の見直しポイント
「家賃は手取りの3分の1が目安」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。しかしこの昔からのルールは、現代で通用しない可能性が高くなってきています。
 
そこで本記事では、年収400万円ほどの収入でもなかなか貯金ができない人に向けて、現在の生活水準が適切なのかどうかを解説します。家賃の適切な決め方についてのポイントも紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
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「家賃は手取りの3分の1」ルールが通用しない現状

「家賃は手取りの3分の1」という昔からのルールは、現代で通用しない可能性が高くなっています。厚生労働省が公表している「平均給与(実質)の推移」によると、1989年~2018年の平均給与(実質)は419万2000円~472万1000円の間で推移しています。特に、2008年以降の平均給与(実質)は440万円に届かず、なかなか給与が上がりにくい現状です。
 
また、国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、女性は男性よりも勤続年数による差が出にくい結果となっています。男性は、勤続年数1~4年目の平均給与404万円から勤続年数 30〜34 年の平均給与761 万円まで上がっており、上昇率は約188%です。
 
一方女性は、勤続年数1〜4年目の平均給与254万円から勤続年数 30~34 年の平均給与453 万円まで上がっており、上昇率は約178%となっています。女性は男性よりも上昇率が低いうえ、最高平均年収も400万円台にとどまっており、男女の収入の差がいまだに大きいことが分かるでしょう。
 
以上のことから、誰にも等しく「家賃は手取りの3分の1」ルールが適切であるとはいえず、自身の収入や生活スタイルに見合った水準を考えていく必要があるのです。
 

現状の生活水準(家賃)は適切か?

物価上昇ラッシュが続くなかで、前述したように給与がなかなか上がらない現状となると、「生活水準(家賃)は適切なのかどうか」を考えていく必要があります。年収400万円ほどの稼ぎがあるはずなのに貯金できない人という人は、以下のポイントを確認してみてください。
 

自由に使える金額はいくら?

前提として、年収400万円の人の手取り年収額は約315万円です。均等に12ヶ月で割ると手取り月収は約26万円となりますが、ボーナスが夏冬2回・2ヶ月分出ると仮定すると手取り月収は約19万円になります。「家賃は手取りの3分の1」ルールに当てはめると、家賃は6万4000円ほどが適切な水準です。
 
これを逆に考えると、家賃以外で自由に使える金額は約12万6000円となります。まずは、この「自由に使える金額」をしっかり把握しておきましょう。この金額を普段どのように使っているのでしょうか。
 

大切なのは「先取り貯金」

大切なのは、「先取り貯金」を心掛けることです。貯金がなかなかできないという人は、「なんとなく」で生活している可能性が高い傾向にあります。年間いくら貯金したいのかを明確にし、毎月いくら貯金したらよいのかを考えてみてください。そして、貯金したい金額を差し引いた「自由に使える金額」で生活が可能かどうかを確認してみましょう。
 
通信料や保険料、水道光熱費など、毎月必ず一定額出る固定費がいくらあるのか、食費にはいくらかけているのかなどを計算してみてください。最近は物価上昇が目まぐるしいので、気づかないうちに以前よりも出費が増えているかもしれません。
 

「手取りの4分の1」の家賃も視野に入れる

貯金したい金額を差し引いた分で生活ができないと判断した場合は、家賃の引き下げが必要です。仮に、年収400万円で「手取りの3分の1」の家賃6万4000円の家に住んでいる場合、「手取りの4分の1」の家賃まで引き下げてみましょう。「手取りの4分の1」の家賃は4万8000円です。
 
家賃を引き下げることで、毎月1万6000円の出費が減ります。年間で考えると、19万2000円もの金額を貯金に回すことができるのです。引っ越し費用等の出費も、何年か住めば元を取れるので、今の家に長く住み続ける予定の人は、一度考え直してみてはいかがでしょうか。
 

まとめ

本記事では、なかなか貯金ができない人に向けて、現在の生活水準(家賃)が適切かどうかのチェックポイントを解説しました。物価上昇ラッシュが続く今だからこそ、「貯金は先にする」の考え方を念頭に、先を見据えたお金の使い方をしていきましょう。
 

出典

厚生労働省 平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)
国税庁長官官房企画課 令和3年分 民間給与実態統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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