更新日: 2024.10.10 働き方
上司に「タイムカード」を切って残業するように命令されています。社長などには「うちは残業なしで成果を上げてます」とアピールしているのですが、どうすれば良いのでしょうか?
本記事では、直属である部署の上司からタイムカードを切って残業するように命令された場合で、会社の上層部が知らないときの対応方法について解説するので、気になる人は参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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法定労働時間を過ぎると残業代の支払い義務がある
本来は法定労働時間(1日8時間・週40時間)を過ぎると残業代の支払い義務が発生するため、タイムカードを切っての残業を命令する行為は法律違反です。時間外手当の割増率は25%と定められているので、時給が1000円と仮定すると1000円×125%=1250円が残業代として支払われます。
仮に毎月20時間残業しているなら、年間の残業代は1250円×20時間×12ヶ月で=30万円です。
残業代を請求するのは労働者の権利なので、サービス残業を強要されているなら然るべき機関などに相談しましょう。また、会社側がサービス残業を把握しているのに残業代の支払いを行わない場合、法律違反として罰則対象になります。
部署の上司がタイムカードを切るように命令する理由とは?
近年ではワークライフバランスが重視されているのに加えて、働き方改革も進められている関係から、残業は最小限に、定時に帰ることが強く推奨されるようになりました。
部署の管理者は部下を残業させずに定時で帰らせるのも管理能力の1つとして評価項目に含まれるため、上司が自分自身の管理能力をアピールするためにタイムカードを切るように命令するケースもあるといいます。
実際にサービス残業をさせられていてもタイムカードで記録されていない以上、内部監査などが行われても気づいてもらうのは困難かもしれません。部署の管理者からすると、上司はサービス残業で業績を上げながら、見た目では残業させていない優秀な人材と見られます。
このパターンで得をするのは部署の上司だけであり、働いている部下は上司の評価を高めるためだけに働かされているともいえるでしょう。また、部署によっては長年サービス残業が慣習になっているケースもあり、是正のための行動を起こしづらい状況になっているということもあるかもしれません。
サービス残業をさせられている場合の対処方法について
サービス残業をさせられている場合の対処方法について理解しておけば、どこに相談すればいいかについても把握できます。
部署の上司が会社側に黙って命令しているなら会社の上層部に知らせるのがおすすめであり、会社がセクハラやパワハラなどの問い合わせ先を設定しているなら担当部署に相談します。相談する部署が設定されていない場合、人事部やコンプライアンス部などが相談先になるでしょう。
会社全体でサービス残業を強要しているなら労働基準監督署に相談しますが、部署の上司が独断で行っているなら、会社内で処理したほうが対応は早くなると考えられます。会社の上層部に訴え出る際は、サービス残業を強要されていることが客観的に見てわかるように証拠を揃えましょう。
まとめ
部署の上司からタイムカードを切って残業するように命令されるのは違法なので、その環境が当たり前と考えずに会社の上層部や労働基準監督署に相談しましょう。
直属の上司の独断で行われているケースでは先に担当部署に相談して、具体的な行動内容などについて指示を仰ぐのがおすすめです。残業代をもらうのは労働者の正当な権利であるため、周りと協力しながら報告しましょう。
出典
厚生労働省 しっかりマスター労働基準法 割増賃金編
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー