更新日: 2024.10.10 働き方

2時間残業するための「20分の仮眠」は労働時間に含まれる?それとも「サボっている」と思われ給与から引かれる?

2時間残業するための「20分の仮眠」は労働時間に含まれる?それとも「サボっている」と思われ給与から引かれる?
労働時間と休憩時間の定義は、法律によって定められています。
 
例えば、「残業する予定なので、20分ほど仮眠をとっておきたい」と思ったとき、その仮眠の時間は「休憩時間」になるのでしょうか。
 
もし休憩時間にならないとしたら、仮眠した分の給与が引かれる可能性があります。
 
本記事では、休憩時間のルールや、20分間の仮眠が会社から注意されない可能性があることについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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一般的な休憩時間のルールとは?

労働基準法第34条で、一般的な休憩時間は「労働時間が6時間以上8時間以下の場合は、少なくとも45分」「労働時間が8時間を超えるときは、少なくとも1時間」と定められています。
 
一日の労働時間は8時間までと決まっているため、残業により8時間を超えて労働する場合は、最低でも1時間の休憩が与えられることになります。
 
厚生労働省によると、休憩時間とは「労働者が完全に労働から離れられる時間」のことであり、労働者が自由に利用できるものでなければなりません。
 
例えば、休憩時間を分割して与えられる場合、分割された休憩時間がごく短い場合は、完全に労働から解放されているとはいえない可能性があります。
 
その場合は「休憩時間」ではなく「労働時間」と判断されるため、賃金が発生することになるでしょう。
 

20分間の仮眠は給与から引かれるのか?

業務中にトイレに行ったり、気分転換程度に離席したりすることは「完全に労働から解放されている時間」とはいえず、休憩時間ではなく「労働時間」と判断される可能性があります。
 
そのため、給与から引かれる心配もないでしょう。
 
しかし、「20分間の仮眠」となると、労働時間とは判断されず、休憩時間と合わせて1時間を超えてしまう場合は、その分は給与から引かれる可能性があります。
 

残業時間によっては会社が注意しないこともある

20分仮眠をとって2時間残業したことで、残業時間が「36協定」で定める延長時間を超えてしまいそうなときは、会社側が仮眠を注意しない可能性もあります。
 
36協定とは、労働基準法第36条に基づく労使協定のことで、「時間外労働の限度に関する基準」についても定められています。
 
この基準によると、一般の労働者の場合、「月に45時間」「年に360時間」の残業時間を超えないようにしなければなりません。
 
もし、2時間残業したことでこの基準を超えそうな場合は、会社として20分間の仮眠を「労働時間」とは判断せず、休憩時間として対処することもあるかもしれません。
 

休憩時間のルールを確認しておくことが大切

労働基準法では、労働者が完全に労働から解放されている時間を「休憩時間」と定義して、労働時間に対して付与できる休憩時間についても定められています。
 
20分間の仮眠をとることで与えられた休憩時間を超えてしまうようであれば、その分を給与から引かれる可能性があります。
 
ただし、20分間の仮眠が残業をするためのものであり、その残業によって残業時間の延長時間の限度を超えてしまうようであれば、会社側は注意しないこともあるでしょう。
 

出典

デジタル庁 e-Gov法令検索 労働基準法 第三十四条
厚生労働省 労働基準 よくある質問 休憩時間を分割する場合どのようなことに注意が必要でしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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