更新日: 2024.10.10 働き方
就職氷河期世代、非正規で年収は「320万円」です。結婚は諦めましたが老後が不安です。この先どうすれば良いでしょうか…?
とはいえ、いつか来る老後に向けて対策を考えていかねばなりません。就職氷河期世代の平均年収や貯蓄額、非正規雇用の割合など現状を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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就職氷河期世代とは
就職氷河期とは、バブル崩壊後の1993~2005年頃のことをいいます。この時代は景気の悪化により企業が新卒採用を減らしたため、高校や大学を卒業したものの就職できなかった人が多数いました。
1970~1984年生まれの人が該当し、2023年現在39~53歳になっている人たちです。団塊ジュニアの世代と重なっていたため、約1700万人と人数も多くなりました。この世代の人のことは、ロストジェネレーション(略してロスジェネ・失われた世代)と呼ばれることもあります。
就職氷河期世代の平均給与・貯蓄額と他の世代との比較
国税庁の「令和4年分民間給与統計実態調査」によれば、1年を通じて勤務した給与所得者の40~44歳の平均給与は男性が602万円、女性が335万円です。45~49歳の平均給与は男性が643万円、女性が346万円となっています。
「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯]」によると、40歳代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯も含む)の平均は657万円、中央値は53万円です。30歳代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯も含む)の平均は494万円、中央値は75万円となっています。
50歳代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯も含む)の平均は1048万円、中央値は53万円です。40歳代の貯蓄額は年代の低い30歳代と比べて中央値が低いことを考え合わせると、40歳代は他の年代よりも貯蓄額が低い人が多いことが読み取れます。
また、40歳代で年収が300万円未満の人の金融資産保有額は平均が297万円、中央値が1万円です。40歳代で年収が300~500万円未満の人の金融資産保有額は平均が652万円、中央値が157万円となっています。年収が低い人は貯蓄に回せるお金がほとんどないケースは少なくないようです。
就職氷河期世代の非正規雇用の割合
株式会社アントレがおこなった就職氷河期世代に対するアンケートによれば、新卒時に正社員として雇用された40歳代の男性は72.3%、他の世代が79.5%でした。40歳代の女性は53.8%、他の世代は82.1%となっており、女性の正社員率の低さは顕著です。
アルバイト・パートの人は40歳代男性で19.1%、女性で23.1%となっており、他の世代は男性が5.1%、女性が3.6%でした。男女ともに他の世代よりもパート・アルバイトとして働かざるを得なかった人はかなり多い傾向です。
一方、就職氷河期世代の人たちの現在はどうかといえば、40代男性の正社員は44.7%、他の世代が41.0%です。40代女性の正社員は46.2%、他の世代が35.7%となっており、正社員率は男女ともに就職氷河期世代と他の世代で逆転しています。
現在勤めている会社は6社目以上という人が全体として最も多くなりました。中でも就職氷河期の男性は6社目以上と答えた人が他の世代の男性と比べて多くなっています。また、就職氷河期の女性は最初に入社した会社に勤めている人が0%というのも特徴的です。
老後を安心して暮らすために国の施策を大いに利用しよう
老後を安心して暮らすためには、少しでも貯蓄を増やすことが必要です。しかし、非正規雇用では収入が十分に得られないため、貯蓄に回すお金の捻出が難しい人も少なくないでしょう。また、自分でできる対策には限界があります。
国では、就職氷河期世代の人に対し、正社員雇用を促進するためのさまざまな支援をおこなっている状況です。正社員と非正規雇用の収入の格差は大きいので、こうした施策を利用して少しでも収入を増やす方向に進んでいきましょう。また、今後とも就職氷河期世代に対する国の支援を期待していきたいところです。
出典
国税庁 令和4年分民間給与統計実態調査-調査結果報告-
金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査2022年」(単身世帯調査) 各種分類別データ(令和4年)
株式会社アントレ 【ロスジェネの昔と今、就職氷河期世代の働き方実態調査】
金融広報中央委員会 設問間クロス集計(令和4年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー