更新日: 2024.10.10 働き方
パート先で寸志が「1万円」出ました。フルタイムで正社員と同じだけ働いているのに、ボーナスより少ないのは理不尽ではないでしょうか…?
そこで本記事では、パート社員と正社員の待遇に関して、このような違いがあっても問題はないのかということを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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そもそも寸志とは?
まず前提知識として、寸志とはどのようなものか理解する必要があります。「寸」の意味が分からない人は、一寸法師という小さな主人公が活躍する昔話を思い浮かべると良いでしょう。
本来は長さを表す短い単位であり、わずかな程度を表現する際にも使われるようになりました。そして、「志」という言葉は、謝意を示すために渡す金品という意味を持っています。
つまり、職場で受け取る寸志とは、会社への貢献に感謝して贈られる少しばかりのお金です。一般的にボーナスとは別の扱いになっており、そちらより金額は低く設定されています。ボーナスの対象外である労働者に対し、その代わりとして支給しているケースも少なくありません。
不合理な差を禁止する同一労働同一賃金
2021年4月1日から「パートタイム・有期雇用労働法」が全面的に施行されています。パート社員や契約社員の労働環境改善を目的とする法律で、働き方改革の一環として制定されました。その中でパート社員と正社員の不合理な待遇の差を禁止しています。
事業主は同一労働同一賃金という概念に基づき、被雇用者を平等に扱わなければなりません。ボーナスが貢献度や労働時間で査定されるなら、それらが正社員と同じであるパート社員に、ボーナスより少ない寸志しか渡さないのは不合理です。この場合は同一の金額を支給する義務があります。
つまり、事業主の方針や会社の規定に問題があるため、法律的な観点から改善の要求が可能です。また、パート社員や契約社員の相談を受ける体制の整備も義務づけられています。最初に社内の担当窓口に相談し、対応してもらえない場合は公的機関を頼ることも視野に入れると良いでしょう。
合理的な差だと見なされるケース
前述の内容は、あくまでも待遇の差が不合理なケースに関する話です。その差が合理的なものなら、改善を要求しても受け入れてもらえません。例えば、正社員にはノルマが課され、未達成なら給与が減額されるなど、待遇面で不利益が生じるように設定されている場合もあります。
それに対して、パート社員にはノルマがなく、待遇面の不利益を心配しなくていい場合もあるでしょう。両者は仕事を遂行するうえで責任の度合いが大きく異なります。
このような違いを考慮して正社員だけにボーナスを支給しているなら、寸志しかもらえなくても合理的と判断されるかもしれません。よって、就業規則などを確認しつつ、両者に差がある理由を総合的な観点で検討してみることも大事です。
納得できないなら会社に説明を求めよう!
働き方改革の実施により、多くの職場でパート社員は以前より働きやすくなりました。とはいえ、正社員がボーナスをもらう一方で、寸志しか支給されないケースも珍しくありません。これが理不尽だと感じるなら、会社に説明を求めることも一つの手です。
ただし、合理的な差なので問題はないと説明される可能性もあります。いずれにせよ、納得できない場合は質問し、会社が待遇に差をつける根拠を詳しく教えてもらいましょう。
出典
厚生労働省 同一労働同一賃金ガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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