転職先がシフト制で、元日に出勤すると「ビール」が振舞われます。うれしいのですが、飲酒しながらの仕事って大丈夫なんでしょうか…?

配信日: 2024.01.04 更新日: 2024.10.10

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転職先がシフト制で、元日に出勤すると「ビール」が振舞われます。うれしいのですが、飲酒しながらの仕事って大丈夫なんでしょうか…?
年末年始は、多くの人が休暇に入りますが、サービス業などにとっては繁忙期です。特に、元日は全国的に祝賀ムードになるため、出勤すると待遇面で優遇されたり飲食を提供されたりする職場もあります。
 
ところで、提供されるのが「お酒」だった場合、仕事中に飲んでも良いものなのでしょうか。今回は、仕事中の飲酒や注意点などについて解説していきます。
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お酒を飲みながら仕事をしても大丈夫?

労働基準法をはじめ、勤務中の飲酒についての法律は現時点では見当たりません。もちろん、車を運転する業務に就いている人であれば勤務中の飲酒は厳禁です。もし、お酒を飲んだ状態で車の運転をすれば、飲酒運転で罰則を受けることになります。
 
しかし、例えば接客や事務職といった運転に関係のない仕事には勤務中の飲酒を禁じるような法律はなく、規定を決めるのは勤務先となるのが一般的です。
 
勤務中に隠れて飲酒した場合であれば、「業務に何らかの支障が出る」ことを懸念して注意されることはあるでしょう。注意を受けても繰り返す場合は、解雇される可能性も出てきます。
 
しかし、今回のケースは勤務先が従業員に「元日出勤の特典」としてお酒を提供しているわけです。雇用者が提供してくれるのであれば、勤務中に飲むことで労働契約上問題になることはありません。
 

勤務先で振る舞われたお酒でも注意は必要

元日に限ってお酒を出される場合でも、業務の内容や通勤手段などによっては注意することが必要です。では、どのようなことに気をつけておけばよいのでしょうか。ここでは、一般的な注意点について紹介します。
 

・業務上の思わぬトラブルも想定する

飲む量や体質にもよりますが、正常な行動や判断ができなくなる可能性もあります。
 
例えば、酔ったために顧客に失礼な対応をしたり簡単なミスをしたりするような人は、思わぬトラブルに巻き込まれかねません。飲むタイミングや業務内容によっては、断ることも大切な判断の一つです。
 

・車通勤の場合は振る舞われても断る

業務に支障が出る酒量ではないにしても、車で通勤する人は勤務先ですすめられても飲んではいけません。
 
飲酒運転については、道路交通法第65条第1項で「何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と定めているため、運転者は罰則を受けます。酒酔い運転と酒気帯び運転の場合の罰則は、以下の通りです。


・酒酔い運転:5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金
・酒気帯び運転:3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金

一方、お酒の提供者については道路交通法の第65条第3項で「何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、または飲酒をすすめてはならない」と定められています。
 
酒酔い運転および酒気帯び運転の際に、お酒の提供者に科せられる罰則は以下の通りです。


・酒酔い運転:3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
・酒気帯び運転:2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金

なお、酒酔い運転とは、体内に残っているアルコール量に関係なくお酒の影響で正常な運転ができない恐れがある状態をいいます。一方、酒気帯び運転は体内のアルコールが呼気1リットルに対して0.15ミリグラム以上または血液1ミリリットル中0.3ミリグラム以上の状態のことです。
 

勤務中の飲酒は自分で正しく判断を

たとえ雇用者から振る舞われたお酒でも、業務への影響が心配なときは「飲まない」「断る」という選択が求められます。車を運転する仕事でなければ勤務中の飲酒を禁じる法律は特にありません。
 
それでも、お酒が入ることで思わぬミスを誘発する可能性もあります。特に、通勤などで車を運転する予定があるときはきっぱりと断ることです。自分の体調や業務内容、車を運転するかどうかといったことを考慮して正しく判断する必要があります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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