更新日: 2024.01.06 働き方

会社の「飲み会」を強制されます。もう令和ですし、断ってもいいですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

会社の「飲み会」を強制されます。もう令和ですし、断ってもいいですか?
飲み会は、社内の親睦を深めるコミュニケーション方法の一つとして、多くの企業で行われています。しかし中には、参加を強制するトラブルも発生しています。断ると、今後の人間関係に影響してしまうと考えて、なかなか断れない方もいるでしょう。
 
本記事では、会社の飲み会を強制した場合の違法性と、賃金が発生する条件などを紹介します。
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強制参加の飲み会は労働時間として扱う必要がある

飲み会への参加を強制すると、違法とみなされるケースもあります。参加を強制する場合は、飲み会の時間も会社の指揮命令下に置かれているとみなされます。その場合は、飲み会時間も労働時間とみなされて、賃金の支払いが必要です。
 
つまり、この賃金の有無によって、飲み会への強制参加が違法かどうかを判断できるのです。ここでは、就業時間内と就業時間外の2パターンに分けて解説します。
 

就業時間内であれば賃金が発生

例えば、就業時間内にオフィスで歓迎会や送迎会などの飲み会を行う場合は、通常勤務と同様に賃金が発生します。賃金が支払われていれば、会社の指揮命令下にあるとみなされるため、会社や上司から参加を命じられた場合には、業務の一環として参加する必要があります。
 

就業時間外に強制であれば割増賃金が発生

就業時間外の飲み会でも、参加を強制されるようであれば、飲み会の時間が会社の指揮命令下にあるとみなされるため、時間外労働に対する割増賃金の支払いが必要です。任意参加であれば、会社の指揮命令下とみなされないため、割増賃金は発生しません。
 
もし、終業後に飲み会への参加を強制されて、かつ残業代の支給がなかった場合は、労働基準法違反とみなされる可能性があります。
 

労働時間として扱わない場合は違法になるケースも

先述したように、終業時間外の飲み会を強制されて、かつ残業代の支給がない場合は、企業が労働基準法違反に問われる可能性があります。労働基準法の第119条によって、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる場合もあるでしょう。
 

任意参加の飲み会の断り方

飲み会への参加を強制された場合に、賃金の支払いがなければ、労働基準法違反に当たります。そのため、人事部や労働基準監督署などへの相談が可能です。しかし、任意参加の飲み会であっても、なかなか断りづらいのが現状です。ここでは、任意参加の飲み会を断る際のポイントを紹介します。
 

家族との予定があると伝える

結婚して子どもがいる方であれば、家族との予定を理由に断ることも一つの手段です。家庭の事情は踏み込みにくい話題でもあるため、追求されない可能性があります。一度だけではなく、今後の飲み会も断りたい場合には、事前に「子どもがいるため、夜に出掛けるのは難しい」と周知しておくとよいでしょう。
 

宅配便が夜に届くと伝える

一人暮らしの場合は、宅配便が夜に届くため、自宅にいないといけないという理由も有効です。現在は置き配制度が浸透してきたことから、置き配の利用を勧められるかもしれませんが、マンションの構造上難しいとか、盗難防止のために対面で受け取りたいなどという理由も一緒に伝えるとよいでしょう。
 

金欠であると伝える

飲み会へ参加すると、1回に3000~5000円ほどの費用がかかってしまいます。週に1回参加すると、1ヶ月で1万2000~2万円ほどの出費となり、決して安い金額ではありません。そのため、給料日前であることや、大きな買い物をしたことなどを理由に、金欠だと伝えるのもよいでしょう。
 
ただし上司との飲み会の場合は、おごるといわれる可能性があるため、金欠を理由にすることは避けたほうがよいかもしれません。
 

体調不良であると伝える

当日の誘いであれば、体調不良を理由に断ることも一つの手段です。「頭が痛いので痛み止めを飲んだ」「おなかの調子が悪い」などの理由を伝えれば、無理に誘われることはないでしょう。
 

会社の飲み会を強制された場合は賃金の発生を確認しよう

会社に勤めていると、飲み会が開催される場面に何度も遭遇します。お酒が飲めない方は不参加で許されることもありますが、中には参加を強制されるケースもあります。飲み会を強制する場合は会社の指揮命令下とみなされるため、賃金の支払いが必要です。
 
もし、強制でありながら、賃金の支払いが発生しない場合は、人事部や労働基準監督署へ相談しましょう。任意参加の飲み会でも断りづらい場合には、今回紹介した断り方をぜひ活用してみてください。
 

出典

厚生労働省 労働基準法第36条(時間外・休日労働協定)について
デジタル庁 e-Gov法令検索 労働基準法 第百十九条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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