更新日: 2024.10.10 働き方

毎月給料から「社内積立金」が天引きされています。社員旅行に行かないのですが返金してもらえるのでしょうか?

毎月給料から「社内積立金」が天引きされています。社員旅行に行かないのですが返金してもらえるのでしょうか?
かつて社内旅行は、社員の福利厚生の一環として多くの会社で行われてきました。今でも給与から毎月一定額を積み立てて、旅行費に充てる仕組みが残っている会社もあるでしょう。しかし、社内旅行に参加しないのならばそのお金を返してほしい、と思う方もいます。
 
本記事では、旅行費として社内積立金を行っている場合、社内旅行に参加しなければ返金が可能かどうか、返金を求める方法とともに解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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社内積立金を返金してもらいたい場合に確認すること

労働基準法第24条において、「賃金は通貨で、直接労働者にその全額を支払わなければならない」と定められています。そのため、原則として額面分をすべて支給しなければなりません。しかし、例外として「法令に別段の定めがある場合」「労使協定がある場合」は天引きが可能です。本項では、社内積立金を返金してもらいたい場合に確認する内容を紹介します。
 

労使協定の内容

社員旅行の費用を社内積立金として天引きしている場合、労使協定が結ばれているはずです。「社員旅行の費用に充てるため」など理由も必ず書いているはずなので、まずは確認してみましょう。返金する条件なども記載されているはずです。社内積立金の理由が「社員旅行の費用に充てるため、毎月いくら天引きする」などと書かれている場合は、社内旅行に行かなければ全額返還してもらえる可能性も高いでしょう。
 
ただし、「社内旅行に参加しなかった場合はキャンセル料を差し引いて支払う」などの記載があると、全額返ってこないケースもあります。また、退職する社員に贈る記念品の代金に充てるためなど、社内旅行以外にも積立金が使われると定められている場合も、全額返還してもらえない可能性があります。
 

社内預金は原則として返還してもらえる

社内積立金は、社内預金という位置づけです。社内預金は原則として元本保証で、労使協定に定められた以外の使い方はできません。また、社員が請求すれば返還が義務づけられています。したがって、社員旅行に行かなかったことを理由に積立金の返還を求めるのは従業員の正当な権利です。
 
なお、キャンセル料や他の目的に使用することなどを理由に全額返還されない場合は、その額と理由を会社は明確にしなければなりません。会社側があいまいな態度だった場合は、きちんと追求しましょう。
 

社内積立金が返還されなかったら?

社内預金は、会社側が従業員から給与の一部を預かっている状態です。従業員が求めたら返還しなければならず、正当な理由なしに返還を拒むことはできません。しかし、会社側があいまいな態度を取り、なかなか返金に応じてくれなかった場合は、労働基準監督署にまずは相談してください。労働基準監督署には、賃金・労働時間・解雇といった法令違反などについて相談したい場合に利用できる窓口があります。
 
また、労務関係に詳しい弁護士に相談して少額訴訟を起こす方法もあります。社内預金は長期間預けていれば、一定の金額にはなっているでしょう。あきらめずに取れる手段は取りましょう。
 

社内積立金は断れる?

社内積立金(社内預金)のために給与から天引きすることが労使協定で定められている場合は、原則として断れません。労使協定は労働者代表と締結した契約なので、自分一人だけ「したがえません」と拒否しても受け入れられないので注意してください。
 
どうしても社内預金を行いたくない場合や、長い間社内旅行が行われておらず、預金の目的が形骸化しているなどの場合は従業員過半数の意見をまとめ、会社側に労使協定の変更を求めることは可能です。
 
一方、社内預金の名目で給与の一部を天引きすると労使協定で定めていない場合、社内預金をするかどうかは従業員の自由意志なので断れます。
 

社内積立金の内容によっては返金可能

旅行費に使うという名目で社内積立金を給与から天引きされている場合、旅行に行かなければ返金を求めることは可能です。会社側も従業員の要求に応えなければなりません。
 
ただし、キャンセル料を差し引くと労使協定に定められている場合や、旅行費以外の福利厚生に充てるために社内積立金をしていると定めている場合は、全額返金されない場合もあります。まずは、労使協定を確認してみましょう。
 

出典

労働基準法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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