【大卒と公務員】大卒社会人の息子が警察官に転職すると言っていますが、大卒資格のメリットはありますか？危険そうだし、できれば民間に転職してほしいです……。

警察官を目指す場合、大卒と高卒ではどのくらい給料が違うのかと気になる人もいるのではないでしょうか。給料が違えば、年収も大きく違ってくるので当然です。しかし、この給料の違いを詳しく知っている人は少ないでしょう。
 
そこで今回は、たまに聞くことのある「キャリア組」についても紹介しながら、大卒と高卒の警察官の給料の違いについて解説していきます。

どのくらい違うの？大卒と高卒の警察官の給料について紹介

ここでは、大卒と高卒の警察官の給料にどのくらいの違いがあるのかを解説していきます。
 

・大卒の警察官の給与と年収

大阪府警察で公表されている警察官の収入一覧（2023年11月現在）によると、4年生大学卒の警察官の初任給は23万9922円です。これには、地域手当も含まれています。1年たった給与の平均は32万142円です。
 
これに6月と12月に支給される期末手当を含めた年収は、大卒の場合は約491万円と公表されています。短大卒の場合は、初任給が22万916円で1年後は30万8068円、年収は約472万円です。
 

・高卒の警察官の給与と年収

一方、高卒の警察官の初任給は、地域手当を含めて20万5153円です。高卒の警察官の年収は約439万円であり、これは4年生大学卒とは約52万円、短大卒とは約33万円の違いです。ただし、それぞれの警察官の条件に応じ、勤勉手当や扶養手当、それに住居手当や通勤手当などが支給されます。
 

キャリア組って何？ノンキャリアとの違いを解説

キャリア組とは、難しいとされている国家公務員採用試験に合格し、その後に警察官（警部補）として採用され、将来の幹部候補生となる人々を指す言葉です。
 
さらに、キャリア組は、警視総監や警察庁長官になる可能性があります。なお、国家公務員採用試験の受験資格があるのは、院卒者と大卒者、それに人事院が大卒程度の学力があると認めた高卒者です。
 
採用から1年後には、昇任試験を受けることなく「警部」へと昇級できるのも、キャリア組の特権でしょう。
 
一方、ノンキャリア組と呼ばれる警察官は、地方公務員採用試験を通じて各都道府県警察に採用され、巡査からスタートします。必要な研修は各県の警察学校で実施され、その後は交番に勤務するのが普通です。
 
ノンキャリア組でも、昇進試験に合格すれば警部以上の管理職になれます。ただし、実際にノンキャリアで警部まで昇進するのは、かなり難しいのが現実です。
 
このように、キャリア組とノンキャリア組では、採用される組織や教育の場所、それに昇進の方法などが異なります。
 

違いを知りキャリアパスを明確にしよう

警察官でも、大卒の場合と高卒の場合では給与に明らかな差がありました。大卒でも、4年生と短期では、やはり給与が違ってきます。また、国家公務員採用試験の難関を突破したキャリア組は将来の幹部候補生であり、さまざまな面で優遇されている存在です。
 
その反面、ノンキャリアでは、警部への昇進さえ困難が伴います。将来に警察官を目指すなら、このような違いを意識して、明確なキャリアパスを描くことが大切でしょう。
 

出典

大阪府警察 質問 給与や休暇はどのようになっているのですか
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー