更新日: 2024.10.10 貯金
1人暮らしで「年50万円」貯蓄って少ないですか?「年収400万円」でボーナスは少ないです…
今回は、1人暮らしで「年収400万円・年間50万円」の貯蓄ペースを例にとり、世間の平均と比べながら、理想の貯蓄額なども考えてみましょう。合わせて、貯蓄を増やすコツも紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年間の貯蓄額の平均は?
自分の貯蓄額が多いか少ないかを判断する方法の一つに、統計データとの比較があります。まずは、総務省統計局の「2022年 家計調査」の結果を見てみましょう。それによると、働いている1人暮らしの人の1ヶ月あたりの平均貯蓄純増額は約12万3000円でした。
そのうち、預貯金純増額は約11万7000円です。年間では、貯蓄純増額が約148万円、預貯金純増額は約140万円となります。これと比較すると、「年間で50万円の貯蓄」は3分の1ほどとなり、少ないと言えるでしょう。
目指したい貯蓄額や貯蓄割合
家計調査では、1人暮らしの人の平均年収は449万円でした。貯蓄純増額が148万円とすると、収入に対する年間の貯蓄割合は約33%です。年収約450万円の手取りを350万円ほどとした場合、手取りに対する貯蓄割合は約42%となります。手取りに対する理想の貯蓄割合は20~30%とされるケースが多いです。それに照らし合わせると、家計調査の結果では、大きく上回る貯蓄率となっています。
また、金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査」についても見てみましょう。同じく2022年の結果によると、1人暮らしの人の年間手取り収入からの貯蓄割合は、平均で13%でした。
貯蓄をしなかった人も約40%もいます。調査ごとに対象者や調査方法は異なり、特に紹介した家計調査の結果は働いている1人暮らしの人のみのデータであることも、両者の違いに関係しているでしょう。
例としている「年収400万円」の人の手取りは300~340万円ほどです。仮に手取りの30%を貯蓄へと回すとすると、年間90~100万円ほどが理想の貯蓄額となります。一般的に理想とされている割合を考慮しても、年間50万円の貯蓄額は少ないと言えます。
貯蓄を増やすためにしたいこと
貯蓄は、意識的に増やそうとしなければ、割合や金額を上げていくのは難しいでしょう。ここでは、貯蓄を増やすために取り組みたいことを紹介します。
・無駄の把握と節約
年収400万円で年間の貯蓄額が50万円というのは、家計調査の結果や一般的な理想の貯蓄割合を考慮すると少ないと言えます。お金の使い方のどこかに、無駄がある可能性が高いでしょう。まずは支出を整理し、無駄の把握に努めます。そのうえで、不要なものへの出費を抑え、節約を試みましょう。
・先取り貯金や「つもり貯金」
給与を受け取った段階で一定金額を口座へと入れる「先取り貯金」や、購入を我慢したものの金額を口座へと入れる「つもり貯金」も有効です。継続していけば習慣となり、徐々に貯蓄の割合や金額を増やしていけます。
・積極的な資産運用
年齢や個人の状況にもよりますが、積極的な資産運用も貯蓄増加のための一つの方法です。金利が低い時代において、預貯金のみでは資産はなかなか増えません。一部を投資信託などの購入に充て、中長期での貯蓄増加を目指してみましょう。預貯金は少なくなっても、資産全体で見れば増加が期待できます。
貯蓄は意識と行動次第で増やせる
手取りの30%ほどが貯蓄割合の理想とすれば、年収400万円の人の場合、100万円ほどは年間で貯蓄へと回したい計算になります。年間で50万円の貯蓄は少ないと言わざるをえません。
しかし、収入の一部を毎年貯蓄へと回せているのであれば、意識と行動を変えることで貯蓄は増やせるでしょう。無駄を把握したうえで節約し、先取り貯金やつもり貯金、積極的な資産運用によって、徐々に貯蓄全体の増加を目指せます。
出典
総務省統計局 家計調査 2022年 1世帯当たり1か月間の収入と支出 1 (実数,構成比,増減率,寄与度)
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー