社会人1年目で貯金は30万円ほどしかありません。どのくらい貯めていたら安心でしょうか?
配信日: 2024.01.27 更新日: 2024.10.10
貯金については、年金制度や老後資金の問題なども見聞きすることがあり、さらに不安を募らせている人も少なくありません。そこで本記事では、社会人1年目の人が知っておきたい、平均的な給与額や貯金額について紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
社会人1年目の平均給与はいくら?
そもそも、社会人1年目の給与がいくらかによって貯金できる額も変わってくるでしょう。厚生労働省の「令和4年 賃金構造基本統計調査」の結果から、社会人1年目の給与額を学歴別にみてみます。
高卒者の平均月収は約18万1000円でした。専門学校卒者は約21万3000円、高専・短大卒者は約20万2000円となっています。大卒者は約22万9000円、大学院卒者は約26万8000円と、学歴が上がるにつれて1年目の給与も上がる傾向がみられます。
一般財団法人労務行政研究所の「令和5年度 新入社員の初任給調査」もみてみましょう。その結果によると、高卒者の平均初任給は約18万3000円、短大卒者は約19万5000円でした。大卒者は約22万6000円、大学院卒者は約24万4000円となっています。
これらのデータから、高卒者であれば18万円ほど、大卒者であれば22〜23万円ほどが平均的な社会人1年目の給与額となるでしょう。
社会人1年目の平均貯金額は?
つづいて、ソニー生命の「社会人1年目と2年目の意識調査 2023」から、社会人1年目で貯蓄した金額をみてみると、平均は49万円となっています。
ただ、100万円以上貯蓄したと回答した人がもっとも多く、全体の23.0%いるという結果となっています。つづいて多いのが50万円〜100万円未満で、こちらは20.6%でした。50万円以上貯蓄できた人が全体の4割を超えているため、これらの層が平均を引き上げている状況です。
一方で、0円と回答した人も14.4%います。20万円〜30万円未満と回答した人は6.0%、30万円〜40万円未満と回答した人は7.0%なので、30万円貯金できたという人はこのあたりに該当するとみてよいでしょう。
月収が18万円の人は、手取りは14万円ほどとなります。月収22万円の人では、17万円ほどとなるでしょう。総務省統計局の「令和4年家計調査」の結果をみると、34歳以下の単身者の平均消費支出額は1ヶ月あたり約15万8000円です。
賃貸物件に住んでいる人は、20万円ほどになってもおかしくはありません。大卒者でも、毎月の手取りですべて賄おうとすると赤字になる人もいるでしょう。ボーナスは考慮していませんが、いずれにしても社会人1年目で十分な貯金をするのは、簡単ではない現実があります。
貯金できていることが大切
収入や生活水準は、人によって異なります。社会人1年目であれば、実家暮らしや一人暮らし、社宅などさまざまな環境で生活しているでしょう。ソニー生命の調査結果で、30万円未満しか貯蓄できていない人が全体の半分近くいることを考えると、社会人1年目で貯金30万円という額は、決して少なくはありません。
社会人1年目が終わっていない段階であれば、むしろ十分ともいえます。100万円以上貯蓄している人をみると焦る気持ちも出てきがちですが、まずは、自分自身が貯金できていることが大切です。
また、安心できる金額も人によって異なります。この調子で貯金ができれば、年齢や給与が上がるにつれて順調に増やしていけるでしょう。もちろん、途中で転職や結婚、子育てなどにより状況が変わり、支出が増える時期が出てくる可能性もあります。普段から支出管理を徹底して、安定した生活を継続することが重要です。
貯金ができている状態を継続しよう
社会人1年目の平均給与と34歳以下の単身者の平均支出額をみると、最初の1年間で100万円以上の貯蓄をするのは難しいでしょう。貯金額が30万円でも、社会人1年目としては十分といえます。
しかし、他人と比べると少ないのではないかと過剰に不安になりかねませんが、何よりも貯金ができていることが大切です。自分の給与と生活水準を考慮し、支出管理も徹底しながら、無理なく貯金額を増やしていきましょう。
出典
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
一般財団法人労務行政研究所 2023年度 新入社員の初任給調査
ソニー生命保険株式会社 社会人1年目と2年目の意識調査2023
総務省統計局 家計調査家計収支編 単身世帯 2022年 表番号2
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー