お金が引き出せなくなっちゃう!? 本格的なキャッシュレス到来に備えて やっておきたい「家計」のこと
配信日: 2018.10.13 更新日: 2024.10.10
そうでなくても一部の銀行でATMの利用手数料を上げる動きがでていたり、「現金を引き出す」ことに支障が出るようになるかもしれません。
キャッシュレスという言葉も真新しい言葉でありませんし、クレジットカードや電子マネーを利用している人も多いとはいうものの、まったく現金が引き出せなくなることはまだまだ身近に感じていない人がほとんどなのではないでしょうか。
本格的なキャッシュレスの時代になって、お金の使い方を見失うことがあっては大変です。今からきちんとしたお金の使い方を身につけておきましょう。
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ATMがなくなる!?
全国銀行協会のデータによると、ゆうちょ銀行を除く銀行、信託銀行、信用金庫等金融機関の2016年度のATM設置台数合計は10万9,445台。2017年度は10万9,095台で、1年間で350台少なくなっています。そのうち最も減少台数が多いのが、都市銀行で260台も少なくなっています。
そのうえ、新聞やニュースで報道されたように、今後もATM設置を減らす計画があるのなら、お金を引き出すことで家計へのデメリットが出てくるかもしれません。
ATMがなくなることのデメリットとは?
あなたがいつもお金を引き出している場面をイメージしてみましょう。
いつも決まった店舗のATMを利用していますか?
それとも通りがかりに見つけたATMやエキナカ、コンビニATMなどを利用しますか?
ATM利用日や利用時間は?
ATMの利用手数料は払いたくないムダなお金ナンバーワンと言っても過言ではない支出。仮に1回当たりの手数料が108円だとしても、100万円を1年間定期預金に預けた時の利息額(※)より高額です。
※2018年8月現在の大手都市銀行の定期預金金利1年もの0.01%を基にしています。
これまで手数料を気にしてコンビニATMや夜間の利用を避けてきたあなたでも、ATMがなくなってしまえばお金を引き出す習慣自体を見直ししなければならなくなるかもしれません。
手数料も上がっちゃう?!
加えてATM利用手数料を上げる銀行も出てきているのは、家計へのダブルパンチということも大ありです。
コンビニATMの利用手数料は、独自の戦略で利用回数を設けた無料化などをする銀行もありました。それが昨今、無料で引き出せる回数を減らしたり、預金残高によって有料とする銀行が出てきています。
上手く慣れたい、キャッシュレス払い
コンビニATMの利用が避けられず、手数料を払うことが必至とされそうな未来がやってくるかもしれませんが、それでもやっぱりATMの利用手数料は健全な家計の大敵。この流れに対抗するにはキャッシュレスでの支払いに切り替えることかもしれません。
キャッシュレスといってもさまざまな方法がありますから、あらためてそれぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。
クレジットカード
キャッシュレス払いとしての歴史も古く、利用者も多いですね。いまではポイントやマイルを貯めるために、あえてクレカを使う人も増えています。カードの利用限度額以内なら、数10万円単位の大きな買い物もできるので、大金を持ち歩かなくていいのは安心で便利です。しかし利用日と引落日に差があるため、ついつい使い過ぎる心配もあります。
デビッドカード
レジでの精算時にカードを出せば、自分の預金口座から即時引き落としされるデビッドカード。残高以上には使えないということと、クレカのように後日精算ではないのが安心です。
電子マネー
Edy(エディ)、Suica(スイカ)、PASMO(パスモ)など、通勤や日々のちょっとした買い物などで利用している人も多いのでは?
電子マネーは大きく分けて2種。あらかじめチャージしておく「プリペイド式」と、利用代金が後でまとめて請求される「ポストペイ式」です。小銭程度の金額でも利用できるのは支払いが楽でいいですね。プリペイド式はチャージ残高内でしか利用できないので安心な一方、度々チャージが必要になることも。
アプリ決済
スマートフォンアプリを利用した支払い方法も登場してきていますね。「LINE Pay」や割り勘アプリなど、対お店でも、個人間でもキャッシュレスでお金のやり取りが可能です。お店でのアプリ決済はQRコードをピッとかざす方法がありますが、実際の支払いは登録しているクレジットカードでの支払いや、銀行口座からの引き落としが一般的な仕組みです。
より厳重な家計管理を!
それぞれの特徴を把握して上手く使い分けたいキャッシュレス払いですが、やはりお金の動きが直に見えないことには注意が必要です。
いまでもカードを「いくら使ったのか、分かりにくい」「使いすぎが怖い」と倦厭するする人がいるように、キャッシュレス払いの種類も増え、場面で使い分けるとなるとやっぱり「何にいくら使ったのか分かりにくい」もの。たとえばプリペイド式の電子マネーは導入している店舗も多く、日々の細かな買い物などにも利用できて便利です。
一方、電車やバス、コンビニ、スーパー、自動販売機など、あらゆるところで利用できるだけにチャージの減りも早くなり、たびたびチャージが必要になりかねません。
たびたびチャージしているうちに、いつ、いくらチャージしたということばかり気にするようになり、「何に」「いくら」使ったのかという家計費の内訳までは気が回らなくなることも。実はそれが使い過ぎを招く元。家計簿をきちんとつけるなど、現金時代よりも厳重な家計管理が必要です。
家計管理はアプリがおススメ
そもそも家計簿って面倒なのに……と考える人は多いですが、クレカや電子マネー、アプリ決済などさまざまなキャッシュレス払いを併用することで、どういうふうに家計簿をつければいいのかわからなくなる人も出てくるかもしれません。そんな人にはクレカや銀行口座、家計支出を一元管理できるような家計簿アプリを利用してみるのもいいですね。
いまから家計診断をしておくのもおススメ
使い過ぎが心配という人が多いキャッシュレス払いですが、そもそも現金・カードを併用しても家計管理がきちんとできている人も少なくありません。
不安になるのは自分のお金の使い方に自信がないからかもしれません。キャッシュレスが家計にダメージを与えることになっては大変ですから、いまのお金の使い方をあらためて見つめ直してみましょう。家計診断などで費目ごとの使い方の良し悪しを確認し、いまのうちに修正しておくのがおススメですよ。
TEXT:FPWOMAN お金の総合クリニック
續 恵美子(つづき えみこ)
FPwoman Money Writer’s Bank 所属ライター
ファイナンシャルプランナー(CFP)